金の認定と銀の認定の違いとは?メリットや申請手順を解説します
「健康経営に取り組みたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」と悩んでいる担当者の方は多いのではないでしょうか。企業が健康経営を対外的にアピールするための第一歩として、健康保険組合連合会などが推進する「健康企業宣言」の制度があります。この制度には「銀の認定」と「金の認定」という二段階のステップが用意されており、それぞれ目指すべきハードルが異なります。この記事では、これら二つの認定の違いから具体的な申請手順、取得によって得られるメリットまでを詳しく解説します。読み終わる頃には、自社がどの認定を目指すべきか、次にとるべきアクションが明確になっているはずです。
1.金の認定と銀の認定は何が違うのか
健康企業宣言制度は、企業自らが「健康経営を行う」と宣言し、その成果を認定してもらう仕組みです。まずは、多くの企業が最初に挑戦する「銀の認定」と、その上位にあたる「金の認定」の根本的な違いについて理解を深めていきましょう。
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銀は環境整備を重視
銀の認定は「ステップ1」とも呼ばれており、企業が健康経営をスタートさせるための基礎固めを目的としています。具体的には、健康診断の受診徹底や、職場の衛生管理、過重労働の防止といった「従業員が健やかに働くための環境作り」ができているかどうかが問われます。制度の導入初期段階にある中小企業が、まずは自社の現状を見直し、制度を整えるための指標として非常に適しています。
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金は安全衛生を深化
金の認定は「ステップ2」として位置づけられており、銀の認定を取得した企業がさらなる高みを目指すためのステージです。銀の認定で整えた環境をベースに、より高度な安全衛生管理や、メンタルヘルス対策の充実、家族の健康支援といった質的な向上が求められます。単に制度があるだけでなく、それが実際に運用され、従業員の健康意識が組織文化として定着しているかどうかが審査の焦点となります。
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審査の難易度が異なる
銀の認定と金の認定では、クリアすべき項目数や評価の深さに明確な差があります。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 比較項目 | 銀の認定(ステップ1) | 金の認定(ステップ2) |
| 主な目的 | 健康経営の基礎環境づくり | 組織全体の健康文化の定着 |
| 前提条件 | 特になし(宣言から開始) | 銀の認定を取得済みであること |
| 重点項目 | 健診100%、適切な働き方 | メンタルヘルス、安全衛生、家族支援 |
| 難易度 | 基礎的・取り組みやすい | 応用的・継続的な活動が必要 |
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2.企業が認定を目指すべき理由は何か?
認定の取得には一定の労力が必要ですが、それ以上に企業が得られるリターンは大きいものです。単なる「お墨付き」を得るだけでなく、経営基盤そのものを強化する効果が期待できます。
| 認定取得のベネフィット | 期待される具体的な効果 |
| 人材獲得 | 健康に配慮する企業として求職者に選ばれやすくなる |
| 定着率向上 | 働きやすい環境が整い、従業員のエンゲージメントが高まる |
| 社会的信用 | 取引先や金融機関からの評価が向上し、信頼を得られる |
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採用力の強化に直結
現代の求職者、特に若年層は、給与水準だけでなく「長く安心して働ける環境かどうか」を重視する傾向があります。金の認定や銀の認定を受けている事実は、客観的に健康経営を実践している証拠となり、採用市場において大きな差別化要因となります。求人票や自社サイトに認定ロゴを掲載することで、福利厚生が充実している優良企業であることを強力にアピールできます。
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離職率の低下を促す
認定を目指す過程で行う職場環境の改善は、従業員の不満を解消し、心身の健康を維持することに繋がります。残業時間の削減やメンタルヘルスケアの充実は、従業員のストレスを軽減させ、結果として意図しない離職を未然に防ぐ効果を発揮します。社員が「大切にされている」と感じることで、組織に対する愛着や貢献意欲が自然と高まっていくのです。
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企業イメージを向上
健康経営への積極的な姿勢は、企業の社会的責任(CSR)を果たしているというポジティブなメッセージを社会に発信します。特に自治体や公共機関との取引がある場合や、大手企業のサプライヤーとなっている場合、こうした認定の有無が評価基準に含まれるケースも増えています。イメージ向上はブランド価値を高め、中長期的な売上の安定にも寄与する重要な要素です。
3.認定取得までの具体的な手順
認定を受けるためには、定められたプロセスを一段ずつ進めていく必要があります。ここでは、申請から認定までの基本的な流れを確認していきましょう。
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手順1健康企業宣言を行う
まずは、自社が所属する健康保険組合などに対して「健康企業宣言」の申し込みを行います。これは「これから健康経営に全力で取り組みます」という意思表示です。宣言を行うと、組合から「宣言証」が発行され、取り組みのスタート地点に立つことができます。この段階で、社内でも健康経営の方針を正式にアナウンスし、従業員の理解を得ておくことがスムーズな進行の鍵となります。
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手順2職場改善を実施する
宣言証の交付を受けたら、認定基準に基づいた具体的なアクションを開始します。銀の認定であれば、健診受診率の向上や過重労働対策に取り組みます。この期間中、活動内容を記録し、証拠となる資料(実施報告書や写真など)を蓄積しておくことが重要です。単に実施するだけでなく、「誰が、いつ、何を行ったか」をデータとして管理しておくことで、後の申請がスムーズになります。
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手順3認定申請書を送付する
一定期間(通常は宣言から6ヶ月以上など)の取り組み実績を積んだ後、認定申請書を作成して提出します。これまでの活動結果を点数化し、基準点を超えていることを確認した上で送付してください。申請書には、具体的な施策内容やその結果を詳細に記載し、必要書類を漏れなく添付します。
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手順4認定証を受領する
提出した申請書が審査され、無事に基準をクリアしていれば「銀の認定」または「金の認定」の認定証が発行されます。認定の有効期間は、銀の認定が2年間、金の認定が1年間であるため、次年度以降も取り組みを継続し、更新手続きを行う必要があります。この認定証を社内に掲示したり、名刺やWEBサイトにロゴを配置したりすることで、対外的なアピールを本格的に開始できます。
| 取得ステップ | 期間の目安 | 主なアクション内容 |
| 1.宣言 | 随時 | 健保組合への申し込み |
| 2.取り組み | 6ヶ月〜 | 基準に基づいた職場環境の改善 |
| 3.申請 | 取り組み後 | 実績報告書の作成と提出 |
| 4.認定 | 審査後 | 認定ロゴの活用と次年度以降の計画策定 |
4.銀の認定を取得するための基準
初めて認定を目指す企業がクリアすべき「銀の認定」には、大きく分けて4つの重点項目があります。これらは健康経営の土台となる非常に重要な要素です。
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健診受診を100%に
全ての従業員が年に一度の健康診断を確実に受診する体制を整えることが、銀の認定の最優先事項です。単に受診を促すだけでなく、未受診者への再三の督促や、業務時間内での受診を認めるなどの環境整備が求められます。受診率100%の達成は、従業員の健康状態を把握し、重大な疾患を未然に防ぐための第一歩として、どのような企業でも避けては通れない必須条件となります。
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食生活の改善を促す
従業員の食生活をサポートするための取り組みも評価の対象となります。例えば、社内にお惣菜を常備する福利厚生サービスの導入や、健康的な食事に関する情報の定期的な配信などが挙げられます。忙しい業務の合間でも、手軽に栄養バランスの良い食事を摂取できる仕組みを会社側が提供することで、従業員の食に対する意識を変えていくことが狙いです。
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運動機会を創出する
デスクワーク中心の職場では、従業員の運動不足が深刻な課題となりがちです。銀の認定基準には、運動習慣の定着に向けた支援が含まれています。メガロスのようなフィットネスクラブの法人会員制度を導入し、仕事帰りに気軽に体を動かせる環境を提供することは、非常に有効なアプローチです。また、階段利用の推奨や、就業時間内のストレッチ実施など、日々の業務の中で無理なく運動を取り入れる工夫も評価されます。
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禁煙に向けた取組
喫煙は従業員の健康に直結する大きなリスク要因です。銀の認定では、社内での完全分煙の実施や、禁煙を希望する従業員へのサポートが重視されます。具体的には、世界禁煙デーに合わせたキャンペーンの実施や、禁煙外来の費用補助などの施策が効果的です。タバコを吸わない従業員の受動喫煙を防ぐとともに、喫煙者本人の健康増進を粘り強く支援していく姿勢が評価に繋がります。
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5.金の認定(ステップ2)へ進むメリット
銀の認定を取得することは、経済産業省が推進する「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定を受けるための必須条件となります 。また、多くの地域において健康経営優良法人の申請条件の一つに、この「健康企業宣言」のステップ1(銀の認定相当)が含まれています 。より全国的に知名度の高い優良法人認定を目指すなら、金の認定への挑戦は実質的に避けては通れない道なのです。
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組織全体の活力を高める
金の認定基準に含まれる「メンタルヘルス対策」や「ワークライフバランスの充実」は、組織の文化をより成熟させます。従業員が自分自身の健康だけでなく、家族や同僚の健康にも目を向けるようになると、職場内のコミュニケーションが活性化し、協力し合う風土が育まれます。数値化されたスコアの向上以上に、社内の空気がポジティブに変化し、活気に満ちた組織へと変貌を遂げることが最大のメリットと言えるでしょう。
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6.認定維持のために必要な行動
認定は一度取れば終わりではありません。継続してその価値を保ち、組織をより良くし続けるための「維持」の視点が重要です。
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定期的な効果検証を行う
実施した施策が本当に従業員の健康増進に寄与しているか、定期的に振り返る機会を設けてください。例えば、健診結果の数値が改善傾向にあるか、ストレスチェックの受検率や結果に変化があるかを分析します。数値としての成果を確認することで、施策の有効性を客観的に判断し、次年度の計画をより精度の高いものへとブラッシュアップできます。
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従業員への周知を徹底
健康経営の主役はあくまで従業員一人ひとりです。人事担当者だけで盛り上がるのではなく、認定を取得した意義や今後の目標を、社内報や全社集会などで繰り返し伝えてください。従業員が「自分たちのための制度だ」と当事者意識を持つことで、施策の参加率が高まり、活動が形骸化することを防げます。
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認定更新の準備を進める
認定の有効期間は1年もしくは2年と短いため、常に次回の更新を見据えた活動が求められます。特に金の認定を目指す場合は、年間を通じた計画的な取り組みが必要です。更新時期が近づいてから慌てて書類を揃えるのではなく、日頃から活動の証拠資料を整理し、PDCAサイクルを回し続ける習慣を社内に根付かせておくことが、長期的な認定維持の秘訣です。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
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金の認定・銀の認定を目指すことは、自社の課題を洗い出し、従業員が輝ける職場をデザインする絶好の機会です。まずは銀の認定から着実にステップを踏み、最終的には健康経営優良法人の認定、さらには組織の永続的な成長へと繋げていきましょう。
<最後に>
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