健康経営優良法人のメリットは?認定で得られる効果とデメリットを解説!
近年、企業の採用ページや名刺で「健康経営優良法人」のロゴマークを見かける機会が増えてきました。「他社もやっているけれど、本当に効果があるのだろうか?」「うちは中小企業だけど、認定を取る意味はあるのかな?」とお悩みではありませんか。
この記事では、健康経営優良法人の認定を取得することで得られる具体的なメリットや、逆に注意すべきデメリットについて解説します。
読み終わる頃には、自社が認定取得を目指すべきかどうかの判断ができ、具体的なアクションプランが描けるようになります。経営課題の解決策として、ぜひ参考にしてください。
1.健康経営優良法人とはどのような制度?
健康経営優良法人認定制度とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人を顕彰する制度です。経済産業省が設計し、日本健康会議が認定を行っています。まずはこの制度の基本的な仕組みと、法人の規模によって異なる区分の違いについて確認しましょう。
制度が作られた目的と背景
この制度が作られた背景には、日本の労働人口の減少と、従業員の高齢化という深刻な課題があります。国としては、国民の健康寿命を延ばし、医療費を適正化したいという狙いがあります。一方で企業にとっては、従業員に長く元気に働いてもらうことが、生産性の向上や組織の活性化に直結します。
ホワイト500とブライト500の違い
健康経営優良法人の認定には、企業の規模に応じて「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つの部門があります。さらに、その中でも特に優れた取り組みを行っている上位法人には、特別な称号が与えられます。それぞれの区分の特徴を下表に整理しました。
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部門 |
対象となる法人規模 |
上位認定の名称 |
認定の目安 |
| 大規模法人部門 |
従業員数が多い企業(業種による) |
ホワイト500 |
認定企業の上位500法人 |
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中小規模法人部門 |
従業員数が少ない企業(業種による) |
ブライト500 |
認定企業の上位500法人 |
中小規模法人部門では、さらに上位501位から1500位までの法人を対象とした「ネクストブライト1000」という枠も新設されています。自社がどの規模に該当するかを確認し、まずは通常の認定を目指すか、いきなり上位認定(ブライト500など)を狙うかを検討するとよいでしょう。
2.健康経営優良法人の認定を取得する5つのメリットとは?
認定を取得するには一定の労力が必要ですが、それに見合うだけの大きなメリットがあります。特に採用難や資金調達に課題を感じている企業にとっては、経営上の強力な武器になります。ここでは主な5つのメリットを具体的に解説します。
採用活動で自社をアピールできる
最も分かりやすいメリットは、採用力の強化です。求職者は、給与や仕事内容だけでなく「働きやすさ」や「自分を大切にしてくれる会社か」を非常に重視しています。認定を取得すると、求人票や会社説明会で専用のロゴマークを使用できるようになります。
これにより、「この会社は従業員の健康を第一に考えている」というメッセージを視覚的に伝えることができます。特に新卒採用や若手人材の採用において、親御さんや学校関係者からの信頼を得やすくなる点も見逃せません。「ブラック企業ではない」という証明になるため、エントリー数の増加や内定辞退率の低下が期待できます。
金融機関からの融資優遇を受けられる
健康経営優良法人の認定を受けると、金融機関から融資を受ける際に金利の優遇などが受けられる場合があります。多くの地方銀行や信用金庫が、健康経営に取り組む企業向けの特別融資プランを用意しているのです。
これは、金融機関側から見ても「従業員を大切にする企業は持続可能性が高く、倒産リスクが低い」と判断されるためです。将来的な設備投資や事業拡大を考えている場合、0.1%でも金利が優遇されれば、経営へのインパクトは決して小さくありません。取引のある銀行に、関連する制度がないか一度確認してみるとよいでしょう。
補助金の加点対象として有利になる
国や自治体が実施している補助金の中には、健康経営優良法人の認定を受けていると審査で加点されるものがあります。例えば、「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」などの申請において有利になるケースがあります。
補助金の採択は競争倍率が高いことも多いため、わずかな加点の差が採択の可否を分けることもあります。本業の生産性向上やDX化を進めるための資金調達において、健康経営の認定が強力な後押しとなるのです。
従業員の定着率と生産性が向上する
健康経営に取り組む過程で、職場環境が改善されることも大きなメリットです。長時間労働の是正やメンタルヘルス対策が進めば、従業員は心身ともに健康な状態で業務に取り組めるようになります。
その結果、休職や離職が減り、定着率が向上します。ベテラン社員が健康で長く働き続けてくれれば、採用や教育にかかるコストも削減できます。また、体調不良によるパフォーマンスの低下(プレゼンティズム)が防げるため、組織全体の生産性アップにもつながります。
企業イメージとブランド力が上がる
認定企業であることは、取引先や顧客に対する信頼性の向上にも寄与します。「従業員の管理が行き届いているしっかりした会社」というイメージは、製品やサービスの品質に対する信頼感にも波及します。
また、最近ではSDGs(持続可能な開発目標)やESG投資(環境・社会・ガバナンスへの配慮)の観点から企業を評価する動きが強まっています。健康経営は「人」への投資であり、社会的責任を果たしている企業としてブランド力を高める要素となります。
3.健康経営に取り組んで実際に効果が出た企業の事例は?
理論上のメリットだけでなく、実際に取り組みを行って成果を出した企業の事例を知ることで、自社での活用のイメージが湧きやすくなります。ここでは、健康経営に成功した代表的な企業の事例を紹介します。
従業員の意識改革に成功したSCSK株式会社
IT企業のSCSK株式会社は、長時間労働が常態化しやすい業界において、いち早く健康経営に取り組みました。「健康わくわくマイレージ」という独自の制度を導入し、健康診断の結果やウォーキングの実績に応じてインセンティブを付与する仕組みを作りました。
その結果、従業員の健康意識が劇的に向上しました。具体的には、喫煙率の低下や運動習慣の定着が見られ、残業時間も大幅に削減されました。従業員が健康になることで、結果的に企業の業績も向上するという好循環を生み出した好例と言えます。
離職率を大幅に改善した株式会社PhoneAppli
株式会社PhoneAppliは、「健康経営」を経営戦略の柱に据え、オフィス環境の改善やコミュニケーションの活性化に取り組みました。自然を感じられるオフィスデザインなど、ユニークな施策を実行しました。
健康経営オフィスとしての取り組み自体が注目を集め、2年間で2,500社・5,000人が参加するオフィス見学ツアーを実施するなど、採用力強化や企業認知度向上に貢献しています。
4.健康経営優良法人の認定取得前に知っておくべきデメリットは?
メリットが多い一方で、認定を目指すにあたっては覚悟しておくべきデメリットや注意点もあります。これらを事前に把握し、対策を練っておくことが成功の鍵となります。
申請準備に手間と時間がかかる
最大のハードルは、申請にかかる事務作業の手間です。認定を受けるためには、自社の健康課題を把握し、計画を立て、実行し、その結果を報告するという一連のプロセスが必要です。特に申請書類(健康経営度調査票)の作成は項目が多く、慣れていない担当者にとっては大きな負担となります。
通常の業務と並行して進める必要があるため、担当者のリソース確保が課題になります。専任者を置くのが難しい場合は、健康保険組合や外部のサポートサービスをうまく活用する視点が大切です。
認定維持にコストが発生する
健康経営を推進するためには、一定のコストがかかります。健康診断のオプション追加費用、システム導入費、外部セミナーの受講料、従業員へのインセンティブ費用などです。
また、認定を取得するための申請料自体も必要です(中小規模法人部門で税込16,500円、大規模法人部門で税込88,000円※2025年度実績)。これらの費用を「コスト」と捉えるか、将来への「投資」と捉えるかによって、取り組みの質が変わってきます。
効果を実感するまでに時間がかかる
健康経営の効果は、一朝一夕には現れません。健康施策を始めてすぐに売上が上がったり、採用応募が急増したりするわけではないのです。従業員の健康数値が改善し、それが定着率や生産性の向上として数字に表れるまでには、数年単位の時間がかかります。
経営陣が短期的な成果を求めすぎると、「効果がないからやめよう」という判断になりかねません。中長期的な視点を持ち、じっくりと腰を据えて取り組む姿勢が求められます。
5.健康経営優良法人の認定を取得するための具体的な手順は?
実際に認定取得を目指す場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。申請のタイミングを逃さないためにも、全体の大まかな流れを把握しておきましょう。
最新の申請スケジュールを確認する
健康経営優良法人の申請は、いつでもできるわけではありません。例年、夏頃(8月〜)に申請の受付が開始され、秋頃(10月〜)に締め切られます。そして翌年の3月頃に認定法人が発表されるというサイクルです。
このスケジュールを逃すと、次のチャンスは1年後になってしまいます。経済産業省や事務局のWebサイト(ACTION!健康経営など)で、その年度の最新スケジュールを必ず確認しましょう。逆算して春頃から準備を始めておくと余裕を持って進められます。
自社の課題に合った施策を実行する
認定要件を満たすためには、ただ申請書を書くだけでなく、実績が必要です。まずは「定期健診の受診率100%」など必須の要件をクリアしているか確認します。その上で、「運動機会の増進」や「食生活の改善」「メンタルヘルス対策」など、選択項目の中から自社に合った取り組みを選定し、実行します。
例えば、「社内に自動販売機を設置して特保飲料を増やす」「お昼休みにラジオ体操を実施する」といった、お金をかけずにできることから始めるのも有効です。重要なのは、継続的に実施することです。
認定申請書を作成し提出する
施策の実績ができたら、申請期間内に「健康経営度調査票(申請書)」を作成し、提出します。中小規模法人部門の場合は、事前に加入している健康保険組合などが実施する「健康宣言」事業に参加し、認定を受けておく必要があるケースがほとんどです。
申請書には、実施した施策の内容や成果を具体的に記載します。提出後は審査が行われ、認定基準を満たしていると判断されれば、晴れて認定取得となります。認定後はフィードバックシートが送られてくるため、それを基に次年度の改善につなげましょう。
まとめ
健康経営優良法人の認定取得について、メリット・デメリットから手順までを解説しました。
本記事の要点を振り返ります。
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健康経営は、単なる「認定マークの取得」がゴールではありません。そのプロセスを通じて、従業員が生き生きと働ける環境を作り、会社の永続的な発展を実現することが真の目的です。まずは経営者や担当者が「従業員の健康を大切にする」という姿勢を示し、できることから一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
<最後に>
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