えるぼし認定とは?5つの基準と取得メリット・申請手順を解説
女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」の制度概要から、5つの認定基準、企業が取得するメリット、具体的な申請手順まで詳しく解説します。くるみん認定との違いやプラチナえるぼしについても網羅。採用力強化や企業価値向上を目指す人事・経営者必見です。
自社の人材不足を解消し、企業価値を高めるために、えるぼし認定の取得を検討している人事担当者の方へ。
この記事では、えるぼし認定の概要や取得に向けた5つの基準、取得することで得られるメリット、具体的な申請手順を分かりやすく解説します。読み終わると、自社が認定を受けるために必要なアクションが明確になります。
1.えるぼし認定とは
えるぼし認定は、女性が働きやすい環境づくりに力を入れている企業を国が評価する仕組みです。少子高齢化が進む日本において、多様な人材が活躍できる職場環境の整備が求められます。ここでは、制度が生まれた背景や関連する他の認定制度との違いについて詳しく確認していきましょう。
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項目 |
概要 |
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制度の名称 |
えるぼし認定 |
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根拠となる法律 |
女性活躍推進法 |
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対象企業 |
行動計画の策定と届出を行った企業 |
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認定機関 |
都道府県労働局長(厚生労働大臣からの委任) |
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えるぼし認定が創設された背景と目的
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づいて創設された制度です。働く女性が自らの能力を十分に発揮し、長期的にキャリアを築ける社会を実現することが大きな目的となっています。
労働力不足が課題となる中で、企業が女性の採用や育成に積極的に取り組むことは重要といえるでしょう。厚生労働省の資料によれば、行動計画の策定・届出を行った企業のうち、一定の基準を満たした優良な企業が認定を受けられます。認定を受けることで、企業は社会的な信頼を獲得しやすくなります。働きやすい職場であるというメッセージを外部に発信できる点も大きな特徴です。
参考:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)
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「くるみん認定」との違い
えるぼし認定とよく比較される制度に、くるみん認定が存在します。この二つの制度は、目的や根拠となる法律が異なります。
えるぼし認定は女性活躍推進法に基づいており、女性が職場で能力を発揮しやすくするための制度です。一方で、くるみん認定は次世代育成支援対策推進法に基づいています。こちらは、仕事と子育ての両立を支援する企業を認定する仕組みとなっています。
つまり、えるぼし認定は女性のキャリア形成や活躍の推進に焦点を当てているのに対し、くるみん認定は男女を問わず子育て世代へのサポートに重点を置いているといえます。自社の課題が女性の管理職登用や定着率の向上にあるのか、それとも従業員の育児支援にあるのかを見極めて、適切な認定を目指すことが大事です。
参考:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて |厚生労働省
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さらに上位の「プラチナえるぼし認定」とは
えるぼし認定には、さらに高い水準の取り組みを行っている企業に向けたプラチナえるぼし認定が存在します。これは、すでにえるぼし認定を受けている企業のうち、とくに優れた実績を挙げている企業に与えられるものです。
プラチナえるぼし認定を受けるためには、一般事業主行動計画の目標を達成していることなど、より厳しい条件をクリアする必要があります。取得の難易度は上がりますが、その分だけ社会的な評価も高まります。
また、プラチナえるぼし認定を受けると、次回の行動計画の策定や届出が免除されるという実務上の利点も用意されています。まずは通常のえるぼし認定を目指し、その後にステップアップとしてプラチナえるぼし認定を視野に入れる企業が多いようです。
2.企業がえるぼし認定を取得する3つのメリット
えるぼし認定を取得することは、単に名誉を得るだけでなく、企業経営において実利を伴う多くの利点をもたらします。採用活動の効率化から資金調達の優遇まで、多岐にわたる効果が期待できるでしょう。ここでは、企業がえるぼし認定を受けることで得られる主要な利点を3つに分けて解説していきます。
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メリットの種類 |
具体的な効果や内容 |
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企業イメージと採用力の向上 |
認定マークの使用によるブランド力向上や優秀な人材の確保 |
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公共調達における優遇措置 |
国や自治体の入札・調達において加点評価を受けられる |
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金融機関からの低金利融資 |
日本政策金融公庫の特定制度を通じて有利な条件で資金調達が可能 |
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えるぼしマーク活用による企業イメージと採用力の向上
認定を受けると、厚生労働大臣が定めるえるぼしマークを自社の商品や広告、求人票などに使用できるようになります。このマークがあることで、女性が働きやすく活躍できる企業であることを視覚的にアピールできます。
就職活動や転職活動を行っている求職者は、働きやすい環境が整っている企業に関心を寄せやすいといわれています。そのため、求人情報にえるぼしマークを掲載することで、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。従業員にとっても、国から認められた働きやすい企業に所属しているという誇りにつながります。結果として、社員のモチベーション向上や離職率の低下といった良い影響をもたらすと考えられます。
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公共調達(入札)における加点評価などの優遇措置
国や地方自治体が実施する公共調達において、えるぼし認定企業は優遇措置を受けられる場合があります。
具体的には、総合評価落札方式や企画競争方式などの入札において、認定を受けていることが加点項目として評価されます。公共事業を受注することは、企業の安定した収益基盤を築くうえで大きな意味を持ちます。少しでも有利な条件で入札に参加できる点は、とくに公共部門との取引が多い企業にとって見逃せない利点です。
認定の段階が高くなるほど加点幅も大きくなる傾向があるため、より上位の認定を目指す動機づけにもなります。詳しい加点の内容は調達を行う各省庁や自治体の基準によって異なるため、事前の確認が大切です。
参考:厚生労働省「えるぼし認定評価項目(公共調達)」(PDF)
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日本政策金融公庫からの低金利融資の利用
えるぼし認定を取得した企業は、資金調達の面でも有利な条件を利用できる制度が存在します。日本政策金融公庫が提供する「働き方改革推進支援資金」という融資制度において、通常よりも低い金利で貸付を受けることが可能です。
働き方改革や職場環境の整備には、システム導入やオフィスの改修など、一定の資金が必要になる場面が少なくありません。金利負担を抑えながら必要な資金を確保できることは、経営の安定化に大きく寄与します。財務面でのサポートを受けられる点は、とくに中小企業にとって大きな魅力といえるでしょう。
3.えるぼし認定における5つの評価基準と3つの段階
えるぼし認定を受けるためには、厚生労働省が定める具体的な要件をクリアする必要があります。評価は5つの項目に分かれており、それらの達成状況によって認定の段階が決定されます。ここでは、どのような視点で審査されるのか、そして認定の段階がどのように区分されているのかを整理していきましょう。
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評価基準の項目 |
概要 |
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採用 |
男女別の採用競争倍率が同等であるか、または女性の採用比率が一定以上であるか |
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継続就業 |
女性従業員の平均継続勤務年数が男性と同等か、または女性の離職率が低いか |
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労働時間等の働き方 |
雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働及び法定休日労働時間の合計時間数の平均が、 直近の事業年度の各月ごとに全て45時間未満であるか |
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管理職比率 |
管理職に占める女性の割合が産業ごとの平均値以上であるか |
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多様なキャリアコース |
正社員転換や中途採用など、柔軟なキャリアパスの実績があるか |
参考:厚生労働省「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定 プラチナえるぼし認定のご案内」(PDF)
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認定のベースとなる5つの評価基準
えるぼし認定の審査では、主に5つの分野から企業の取り組み状況が客観的な数値で評価されます。
第一に採用の項目があり、男女の採用割合や競争倍率に偏りがないかが問われます。第二に継続就業の項目として、女性従業員が長く働き続けられる環境であるかが平均勤続年数などを通じて確認されます。
第三に労働時間等の働き方であり、長時間労働の是正が徹底されているかが重視されるポイントです。第四に管理職比率の項目では、意思決定の場に女性がどれだけ参画しているかが産業別の基準と比較されます。
第五に多様なキャリアコースの項目があり、非正規雇用から正規雇用への転換や、多様な働き方を支える制度が実際に機能しているかが見られます。これらの基準は、いずれも女性が職場で直面しやすい壁を解消するために設定されています。
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基準の達成状況に応じた3つの認定段階
えるぼし認定には、先ほど挙げた5つの基準のうち、いくつを満たしているかによって3つの段階が設けられています。
基準のうち1つまたは2つを満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイト『女性の活躍推進企業データベース』に毎年公表している企業は、1段階目の認定を受けることが可能です。ただし、満たしていない項目についても事業主行動計画策定指針に基づく関連する取り組みを実施し、その実施状況を公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していることが条件です。
基準を3つまたは4つ満たしている場合は、2段階目の認定となります。そして、5つの基準すべてを満たしている企業に与えられるのが、3段階目の認定です。
このように段階的な評価制度となっているため、すべての基準を最初からクリアできなくても、自社の状況に合わせて段階的にステップアップを図ることができます。
4.えるぼし認定を取得するための具体的な申請手順
えるぼし認定を目指すことを決めたら、どのような手順で手続きを進めればよいのでしょうか。制度の趣旨を理解し、社内の状況を整えたうえで、適切な窓口へ申請を行う必要があります。ここでは、認定を取得するまでの一連のステップを順を追って解説していきます。
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申請の手順 |
実施する内容 |
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ステップ1 |
自社の女性活躍に関する現状の把握と課題の洗い出し |
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ステップ2 |
一般事業主行動計画の策定、社内周知、外部公表、労働局への届出 |
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ステップ3 |
策定した計画に基づく取り組みの実施と実績データの公表 |
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ステップ4 |
必要な書類を準備し、都道府県労働局へ認定の申請を行う |
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自社の現状把握と課題の洗い出し
申請に向けた最初のステップは、自社の現状を正確に把握し、課題を明確にすることです。
女性従業員の割合や管理職の人数、平均勤続年数や労働時間の状況など、基礎的なデータを収集します。集めたデータを厚生労働省が示す基準と照らし合わせることで、自社がどの項目に弱みを抱えているかが見えてきます。現状を正しく認識することが、効果的な改善策を考えるための土台となります。
この作業には労務データの分析が必要となるため、人事部門が中心となって各部署の協力を仰ぎながら進めるのが一般的です。
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一般事業主行動計画の策定と届出・公表
現状の課題が明確になったら、それを解決するための一般事業主行動計画を策定します。
計画には、達成すべき目標や、目標を達成するための具体的な施策、そして実施のスケジュールを盛り込みます。策定した計画は、すべての従業員に周知して社内の理解を深めるとともに、外部のデータベースや自社サイトを通じて一般にも公表しなければなりません。
その後、管轄の都道府県労働局へ行動計画を策定した旨の届出を行います。この行動計画の策定と届出は、えるぼし認定を受けるための前提となる要件です。
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計画の実施と実績の公表
行動計画の届出が完了したら、計画に沿って具体的な取り組みを実行に移します。
働き方改革に向けた社内制度の見直しや、管理職向けの研修など、定めた施策を計画通りに進めていくことが求められます。さらに、取り組みの結果として得られた女性活躍に関する実績データを、「女性の活躍推進企業データベース」などを通じて毎年公表する必要があります。
単に計画を立てるだけでなく、その進捗や成果を透明性をもって社会に発信し続ける姿勢が評価の対象となります。実績の公表を忘れると認定基準を満たせなくなる可能性があるため、定期的なデータの更新を仕組み化しておくことが重要です。
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都道府県労働局への認定申請
実績が認定基準を満たしていることを確認できたら、いよいよ都道府県労働局への申請を行います。
申請には、「基準適合一般事業主認定申請書」という所定の様式に加えて、基準を満たしていることを証明する各種の添付書類が必要です。就業規則の写しや雇用管理に関するデータなど、準備する書類は多岐にわたります。
提出した書類をもとに労働局で審査が行われ、問題がないと判断されれば、厚生労働大臣からの認定通知が届きます。書類に不備があると審査に時間がかかるため、事前に労働局の窓口や社会保険労務士などの専門家に相談しながら準備を進めると安心です。
5.えるぼし認定に関するよくある疑問
えるぼし認定の手続きを進める中で、実務担当者がつまずきやすいポイントや疑問を抱きやすい点がいくつか存在します。スムーズに認定を取得するためには、あらかじめ不安要素を解消しておくことが大切です。ここでは、とくに多く寄せられる疑問について回答とともに整理していきます。
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申請から認定までにどのくらいの期間がかかるのか
申請書類を提出してから実際にえるぼし認定を受けるまでの期間は、労働局の混雑状況や提出書類の精度によって異なります。
明確な標準処理期間は公的に示されておらず、書類に不備があったり、追加の確認事項が発生したりすると、さらに長い期間を要することもあります。とくに年度末などの繁忙期は審査に時間がかかる傾向があるため、余裕をもったスケジュールで準備を進めることが推奨されます。
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認定が取り消されるケースはあるのか
一度えるぼし認定を取得したからといって、永遠に有効というわけではありません。その後の状況変化によっては、認定が取り消されるケースも存在します。
たとえば、毎年の実績公表を怠ったり、認定の基準を満たさなくなったりした場合は取り消しの対象となります。また、労働基準法などの重大な法令違反が発覚した場合も、認定の取り消し対象となることがあります。
認定を維持するためには、制度の要件を継続してクリアし、法令を遵守した適切な労務管理を行い続けることが求められます。取得後も気を抜かず、社内の労働環境を良好に保つ努力が求められます。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
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えるぼし認定の取得に向けた取り組みは、自社の労働環境を見直し、持続的な成長を実現するための重要なステップとなるでしょう。
<最後に>
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