健康経営度調査とは?目的やメリット・評価項目・回答のポイント
健康経営度調査の目的やメリット、スケジュールの流れを人事・総務担当者に向けて分かりやすく解説します。評価項目や高い評価を得るためのKPI設定のポイント、実際の企業事例も紹介。健康経営優良法人の認定獲得を目指すためのヒントが満載です。
自社の健康経営の取り組みを可視化したいものの、健康経営度調査の仕組みが分からず悩んでいる人事担当者・経営者に向けた記事です。
この記事では、健康経営度調査の目的や企業が取り組むメリット、主要な評価項目について解説します。 読み終わると、調査への具体的な回答手順や高い評価を得るためのポイントが理解できるようになるでしょう。
1.健康経営度調査の概要と目的
健康経営度調査は、企業が従業員の健康に対してどれほど戦略的に取り組んでいるかを客観的に評価するための仕組みです。単なるアンケートではなく、自社の現在地を把握し経営改善につなげるための重要なプロセスです。
まずは調査の基本的な枠組みと、企業規模によって異なる申請の仕組みを理解することが、スムーズな準備への第一歩となります。
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企業の健康経営を可視化する調査の役割
健康経営度調査とは、企業が従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践しているかを評価するために実施される調査です。経済産業省が主体となって毎年行われており、法人の健康経営の取り組み状況や経年での変化を分析するとともに、健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定の基礎情報を得ることを目的としています。 自社の健康課題に対する取り組み状況を客観的に把握できるため、経営改善に役立つツールと言えます。
経済産業省のサイトでも、この調査の意義が明確に示されています。
「健康経営度調査とは、法人の健康経営の取組状況と経年での変化を分析するとともに、「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のための基礎情報を得るために実施している調査です。」
従業員の健康を支援することは、将来的な企業価値の向上につながる投資という考え方が広まっています。 調査に回答した企業には結果のフィードバックシートが提供されるため、自社の立ち位置を確認して次年度以降の施策改善に活かすことが可能です。
【関連記事】健康経営優良法人の要件とは? 認定基準や2025年の変更点を解説
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調査対象となる企業規模と部門の違い
健康経営度調査は、企業の規模によって対象となる部門が大きく分かれています。 主には大規模法人部門と中小規模法人部門の二つの枠組みが用意されており、申請ルートが異なります。
大規模法人部門に該当する企業は、この健康経営度調査に回答することが健康経営優良法人の認定を受けるための必須条件となります。 一方で、中小規模法人部門に該当する企業の場合は、健康経営度調査そのものではなく、専用の認定申請書を作成して提出する仕組みを採用しています。
自社がどちらの部門に該当するかは、従業員数や資本金の額といった基準によって決まるため、申請準備を始める前に規定を確認しておきましょう。 業種ごとに細かな基準が設定されているため、経済産業省の公式資料を参照しながら対象区分を判断することが大切です。
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部門の名称 |
対象となる主な企業規模 |
健康経営優良法人の申請方法 |
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大規模法人部門 |
従業員数が多い大規模な企業 |
健康経営度調査への回答が必須 |
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中小規模法人部門 |
従業員数が基準以下の中小企業 |
専用の認定申請書を提出する |
参考:経済産業省「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)認定申請書」
2.健康経営度調査に取り組むメリット
健康経営度調査への参加は、認定取得という目標を超えて、企業経営そのものにさまざまな好影響をもたらします。対外的な評価の向上だけでなく、社内に目を向けると、従業員が抱える健康課題と正面から向き合うきっかけにもなります。調査を通じて得られる効果は多岐にわたるため、取り組みの意義を経営層と現場の両方が共有しておくことが大切です。
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健康経営優良法人などの認定によるブランド力向上
健康経営度調査に回答し、基準を満たすことで健康経営優良法人などの公的な認定を受けることができます。認定を獲得すると、従業員の健康管理を大切にしている企業として社会的な評価が高まるでしょう。
取得した認定ロゴを自社のウェブサイトや名刺に掲載できるため、企業のブランドイメージ向上につながることが期待できます。特に採用活動の場面では、働きやすい環境を重視する求職者に対して安心感を与えることが可能です。就職活動中の学生や転職希望者に向けて、健康経営への前向きな姿勢をアピールする強力な材料となります。
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従業員のエンゲージメントと生産性の向上
調査に向けた対策を進める過程で、社内の健康課題と向き合うことになり、結果として職場環境の改善が進みます。具体的な健康施策を実行することで、従業員の心身の負担が軽減され、病気による休職や欠勤を防ぐ効果が期待できます。
従業員が元気に働ける環境が整うと、仕事へのモチベーションや会社への帰属意識が高まっていくでしょう。エンゲージメントが向上すれば、一人ひとりの労働生産性の改善や組織全体のパフォーマンス向上につながると考えられます。
健康経営への投資は、離職率の低下や長期的な業績アップといった経営上のプラス効果が期待できると考えられます。
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健康経営への取り組みによる効果 |
企業側にもたらされる具体的なメリット |
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企業ブランドの向上 |
認定ロゴの活用によるイメージアップや採用力強化 |
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組織の活性化 |
従業員のエンゲージメント向上やモチベーションアップ |
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労働生産性の向上 |
健康不安の解消による業務効率の改善や欠勤率の低下 |
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経営リスクの低減 |
休職者の減少や将来的な医療費負担の適正化 |
3.健康経営度調査の主要な評価項目と構成
健康経営度調査では、企業の取り組みが複数の観点から多角的に評価されます。方針を打ち出すだけでなく、それを実行に移す体制が整っているか、また施策の効果をきちんと検証しているかまでが問われる構成となっています。
各評価項目がどのような考え方に基づいて設けられているかを事前に把握しておくことで、自社の準備状況を体系的に整理しやすくなるでしょう。
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経営理念と方針の明文化
健康経営度調査では、企業が健康経営に対してどのような理念を持ち、方針を定めているかが評価の起点となります。 経営トップが自ら健康経営の重要性を発信し、それを社内外に宣言しているかどうかが問われる項目です。
トップの明確なメッセージがあることで、従業員全体に健康づくりの意識が浸透しやすくなります。 社外に向けても健康宣言を公開している企業は、社会的な責任を果たしていると評価されやすくなります。
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組織体制の構築と機能
方針を定めた後、それを実行に移すための組織体制が整備されているかも重要な評価ポイントです。健康経営を推進するための専門部署の設置や、担当役員の任命が行われているかを確認されます。
人事部門だけでなく、産業医や保健師、健康保険組合といった専門家と連携した体制が求められるでしょう。 各部署が協力して健康課題に取り組める仕組みが整っている企業は、持続的な健康経営が可能だと評価されやすくなります。
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制度の導入と施策の実行
従業員の健康課題を解決するために、具体的な制度を導入し、施策を実行しているかが細かく問われます。 定期的な健康診断の受診率向上や、ストレスチェックの実施結果を活用した職場環境の改善などが評価対象となります。
長時間労働の是正や有給休暇の取得促進といった、働き方改革に関連する取り組みも評価に含まれる項目です。 従業員一人ひとりの状況に合わせた健康支援プログラムを提供することが、高い評価につながりやすいと考えられます。
【関連記事】ストレスチェック集団分析のやり方・結果分析・職場改善への活用
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取り組みの評価と改善のサイクル
施策を実行するだけでなく、その効果を測定して次年度の計画に活かしているかも重視されるポイントです。健康経営の取り組みによる効果を数値化し、PDCAサイクルを回して継続的な改善を図っているかが問われます。 実施したプログラムの参加率や、従業員の健康状態の変化といったデータを分析する姿勢が求められるでしょう。
課題が見つかった場合には、柔軟に施策を見直してより良い取り組みへと進化させていくプロセスが評価されます。
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評価の枠組み |
調査で確認される具体的な内容の例 |
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経営理念・方針 |
トップメッセージの発信状況や健康宣言の社内外への公表 |
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組織体制 |
推進担当役員の配置や産業医・健康保険組合との連携体制 |
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制度・施策実行 |
健康診断の受診率向上、メンタルヘルス対策、働き方改革の推進 |
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評価・改善 |
施策の効果検証、データに基づいた課題分析とPDCAサイクルの実践 |
4.健康経営度調査のスケジュールと回答手順
健康経営度調査は毎年決まった時期に実施されますが、回答に必要な情報は社内の複数部署にまたがるケースが多く、準備期間の確保が重要です。締め切り直前に慌てることなく対応するためには、調査の全体的な流れとオンライン回答の具体的な手順をあらかじめ把握しておくことが欠かせません。年間を通じた計画的なスケジュール管理が、質の高い回答への近道となります。
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例年のスケジュールと調査期間の目安
年間スケジュールを把握し、計画的に準備を進めることが大切です。
例年、8月中旬から下旬ごろに経済産業省から調査票が公開され、回答の受付がスタートします。 調査の締め切りは10月中旬ごろに設定されることが多く、約1ヶ月半から2ヶ月間の回答期間が設けられています。
回答内容は多岐にわたるため、期限直前に作業を始めると情報収集が間に合わなくなる恐れがあります。 社内の各部署からデータを集める時間を考慮し、調査票が公開されたら速やかに内容を確認するよう心がけてください。
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ポータルサイトを通じた回答の進め方
実際の回答作業は、専用のポータルサイトである「ACTION!健康経営」を通じてオンラインで行う形式が一般的です。
初めて回答する企業は、事前にシステムのアカウント登録を済ませておく必要があります。 ポータルサイト上から調査票のExcelファイルをダウンロードし、自社の取り組み状況を入力していく流れとなります。 入力が完了したファイルは、再びポータルサイトにアップロードすることで提出が完了する仕組みです。
過去に回答したことがある企業は、前年度のデータを参照しながら変更点を更新できるため、作業負担を軽減できるでしょう。
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スケジュールの流れ |
想定される主な作業内容 |
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8月中旬から下旬ごろ |
調査票の公開 専用ポータルサイトからのダウンロード開始 |
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9月中旬ごろ |
社内各部署からのデータ収集 回答内容の入力作業の本格化 |
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10月中旬ごろ |
調査票の最終確認 ポータルサイトへのアップロードと提出完了 |
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翌年3月ごろ |
健康経営銘柄および健康経営優良法人の認定結果の発表 |
5.健康経営度調査で高い評価を得るポイント
調査に回答するだけでなく、より高い評価を獲得するためには、取り組みの「質」を高める視点が求められます。施策の数を増やすことよりも、自社の実態に即した戦略的なアプローチが評価者に伝わることが重要です。
普段の健康経営活動をどのように可視化し、調査の回答に反映させるかという観点で、日ごろから準備を積み重ねておくことが高評価への近道です。
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自社の課題に基づいた具体的なKPIの設定
健康経営度調査で高い評価を得るためには、自社の現状を分析し、解決すべき課題を明確にした上で目標を設定することが重要です。 ただ漠然と健康施策を実施するのではなく、達成度を測るための具体的なKPIを設ける姿勢が評価されます。
従業員の運動習慣の定着や喫煙率の低下といった、目に見える数値を目標に設定することが望ましいでしょう。 客観的なデータに基づいて施策を計画し、その進捗を管理している企業は、戦略的な健康経営を実践していると評価されやすくなります。
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経営層と現場が一体となった推進体制の構築
評価項目で問われる体制整備に加えて、実際に高評価を得ている企業では経営層と現場が双方向に関わる仕組みを構築しています。
経営層が健康経営の意義を深く理解し、予算の確保や社内への啓発活動を積極的にリードすることが求められます。 同時に、現場の従業員が参加しやすいような雰囲気作りや、意見を吸い上げる仕組みを整えることも欠かせません。
経営層の強い意思と、現場の自主的な参加が組み合わさることで、健康経営の取り組みが組織の文化として根付いていくでしょう。
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高評価を得るためのポイント |
具体的なアクションの例 |
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課題に即したKPI設定 |
ストレスチェックの高ストレス者割合の低下目標などを明確にする |
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データに基づいた効果測定 |
施策参加前後の健康診断結果を比較し、改善効果を数値で検証する |
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経営層のコミットメント |
社長自らが定期的に健康に関するメッセージを社内報などで発信する |
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現場の巻き込み |
従業員アンケートを実施し、現場のニーズに合った健康プログラムを企画する |
6.健康経営度調査の具体的な事例
健康経営の取り組みを実際にどのような形で進めればよいか、イメージしにくいと感じる担当者も多いのではないでしょうか。優れた取り組みとして認められた企業の事例を参照することで、自社に応用できるヒントを得ることができます。抽象的な施策の方向性を具体的なアクションへと落とし込む際の参考として、ぜひ活用してください。
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経済産業省の健康経営銘柄に選定された企業の取り組み
健康経営度調査に回答し、優れた取り組みが認められた企業は健康経営銘柄として選定されます。 具体的な事例として、SUMCOグループにおける健康経営の取り組みが挙げられます。 同社では従業員の安全と健康を最優先とする理念を掲げ、健康診断データや歩数データを活用した独自の分析を行っています。 この分析によって、歩数が多い従業員は健康状態を示す指標が良好であるという傾向を客観的なデータとして導き出しました。
「歩数と健康診断データを活用した分析では、参加者における歩数上位1/3群は下位1/3群に対して血圧及びHDL-コレステロール値に有意差がみられました。SUMCOグループでは、「従業員の安全と健康がすべてに優先する」との理念のもと、明るく活き活きと働きがいのある職場づくりを目指し、「SUMCOグループ健康宣言」を社内外に発信しています。」
このように、収集したデータを活用して健康課題の傾向を把握し、具体的な行動変容を促す施策を展開している点が特徴と言えます。 客観的なデータ分析に基づいたアプローチは、健康経営度調査においても高く評価されやすい要素と言えるでしょう。
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事例企業名 |
直面していた健康課題や目的 |
実行された具体的な健康施策の内容 |
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SUMCOグループ |
従業員の活力向上と働きがいのある職場づくり |
健康診断データと歩数データを連動させた健康状態の分析と効果測定 |
参考:経済産業省「健康経営銘柄2024 選定企業紹介レポート」
まとめ
この記事の要点をまとめます。
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健康経営度調査への適切な対応を通じて、従業員がいきいきと働ける組織づくりを目指してください。
<最後に>
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