健康診断の受診率を上げるには?上がらない原因と100%達成に向けた施策
健康診断の受診率が上がらないとお悩みの人事担当者向けに、受診率低下の原因から100%を達成するための具体的な施策までを解説します。未受診への罰則リスクや、受診率向上に効果的な健康管理システム・健診代行サービスの活用方法も整理。法令遵守や健康経営を目指す企業の業務効率化に役立つ情報をまとめました。
健康診断の受診率を上げるには、従業員が受診しやすい環境の整備と、未受診者への的確な受診勧奨を組み合わせる対策が必要です。本記事では、受診率が上がらない原因を従業員側の視点から紐解き、100%達成に向けた具体的な施策を解説します。人事担当者の業務負担を減らしつつ受診率を向上させる、健康管理システムや代行サービスの活用方法も順に整理します。
1.健康診断の受診率向上が企業に求められる理由
健康診断の受診率向上は、従業員の健康を守るだけでなく、企業としての法的義務や社会的な評価に直結する経営課題です。受診率が低いまま放置すれば、行政上の処分リスクを抱えるだけでなく、対外的な企業評価にも悪影響を及ぼしかねません。ここでは、企業が受診率向上に取り組むべき2つの観点を整理します。
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観点 |
企業に求められる要点 |
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法的義務とリスク |
労働安全衛生法に基づく実施義務があり、違反時は罰則の対象となる |
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健康経営への影響 |
健康経営優良法人の認定において、受診率の高さが重要な評価基準となる |
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労働安全衛生法による実施義務と罰則リスク
企業には、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して1年以内ごとに1回、定期健康診断を実施する義務があります。違反した場合は50万円以下の罰金が科される可能性があり、企業としてのコンプライアンス体制が問われる事態になりかねません。従業員側にも受診義務は定められていますが罰則規定はないため、企業側が主体となって受診を促す体制を整えることが求められます。未受診のまま放置して従業員の健康被害が深刻化した場合、企業の安全配慮義務違反として損害賠償を請求されるケースも珍しくありません。
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健康経営優良法人の認定要件としての重要性
健康診断の受診率100%達成は、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」の認定を受けるための必須要件として定められています。認定要件の評価項目では定期健康診断の受診率が問われており、これに回答できなければ申請を進められません。健康経営優良法人に認定されると、採用活動での企業イメージ向上や、一部の金融機関における融資条件の優遇といった具体的な利点を得られます。経営戦略として認定取得を目指す企業が増加する中、受診率の向上は重要な課題の1つといえます。
参考:経済産業省「健康経営優良法人 2025(大規模法人部門)認定要件」
2.健康診断の受診率が上がらない4つの原因
受診率を改善するには、まず「なぜ従業員が受診しないのか」を正しく把握することが出発点になります。受診を妨げる要因は単一ではなく、時間的な制約から心理的な抵抗感まで多岐にわたります。自社のボトルネックを特定するために、代表的な4つの原因を確認しておきましょう。
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受診を妨げる要因 |
従業員が抱える具体的な課題 |
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時間的制約 |
業務に追われて受診の時間を確保できない |
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手続きの負担 |
医療機関への予約や問診票の記入を煩雑に感じる |
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認識の不足 |
若年層を中心に、健康診断の必要性を感じていない |
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心理的ハードル |
検査への不安や、再検査時の費用負担を懸念している |
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業務が忙しく受診の時間を確保できない
日々の業務に追われている従業員は、健康診断を受診するためのスケジュール調整を後回しにする傾向があります。とくに、受診が休日に指定されている場合や、業務時間外に自身の時間を削って行く必要がある環境では、足が遠のきがちです。繁忙期と健康診断の実施時期が重なってしまうと、部門全体で受診率が低下するケースもあります。
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予約手続きや問診票の記入が面倒に感じられる
受診先の医療機関を自分で探し、電話やWebで予約を取る作業は、従業員にとって手間に感じられやすい工程です。指定された医療機関の予約枠が埋まっていて希望日に受診できない場合、そのまま手続きを放置してしまうことも少なくありません。また、紙の問診票を事前に記入して持参する作業も負担となり、受診意欲を下げる一因となります。
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健康診断の必要性やメリットが周知されていない
自分の健康に自信がある若手従業員などは、わざわざ時間を割いて健康診断を受ける意味を見出せないケースも珍しくありません。「悪いところはないから受診しなくてよい」という自己判断を防ぐには、会社からの継続的な周知が必要です。病気の早期発見が本人の将来やキャリアを守るという視点が伝わっていないと、会社からの案内を単なる業務連絡として読み飛ばされてしまいます。
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費用負担や再検査への心理的ハードルがある
会社が健康診断の基本費用を負担していても、オプション検査や二次受診(再検査)で自己負担が発生することを懸念して受診を避ける人がいます。また、「病気が見つかるのが怖い」「結果が悪かったら会社に知られて評価に影響するのではないか」といった不安も、受診を躊躇させる要因の1つです。企業側は、健康情報が人事評価に悪影響を及ぼさない事実を明確に伝え、従業員に安心感を持たせる必要があります。
3.健康診断の受診率を100%に近づけるための施策
原因を把握した後は、従業員の負担を取り除きつつ、会社全体で受診を後押しする環境づくりに取りかかる段階です。施策のポイントは、制度面の整備と周知活動を組み合わせて「受診しない理由」を一つずつ潰していくことにあります。ここでは、実務で取り入れやすい4つの具体策を紹介します。
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施策の方向性 |
具体的な取り組み内容 |
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勤務時間の活用 |
勤務時間内の受診を認め、部署ごとの業務調整を行う |
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手続きの簡略化 |
会社側で予約を手配し、従業員の手間を省く |
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リマインドの徹底 |
未受診者を特定し、直接の声かけや個別通知を実施する |
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経営層からの発信 |
社長や役員から、健康管理の意義を直接メッセージとして伝える |
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勤務時間内の受診を認め業務調整を行う
健康診断を勤務時間内に受診できる制度を整え、給与を控除しない扱いにすることは、受診率を上げる直接的な手法の1つです。厚生労働省の見解では、一般健康診断の受診に要した時間の賃金については労使間の協議で定めるべきものとされていますが、円滑な受診の観点から事業者が支払うことが望ましいとされています。なお、特殊健康診断の受診時間は労働時間として扱われます。人事部門から各部署の管理職に対して、メンバーが受診のために中抜けや半休を取りやすいよう業務調整を働きかけると、組織全体で受診しやすい空気が醸成されていきます。
参考:健康診断を受けている間の賃金はどうなるのでしょうか?|厚生労働省
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予約手続きを代行・簡略化する
従業員個人に任せていた医療機関への予約手配を人事部門や外部の健診代行サービスが巻き取る手法は、手続きの手間削減に効果的です。会社側で日時と場所を指定して案内を出せば、従業員は当日に指定された会場へ向かうだけで問題ありません。自社での手配が難しい場合は、受診日時の希望アンケートだけをWebで集め、あとの医療機関との調整を代行業者に依頼する手法も検討に値します。
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未受診者への個別リマインドを徹底する
期日が近づいても予約をしていない従業員に対しては、一斉送信のメールではなく名指しでの個別リマインドが効果的です。受診状況をリアルタイムで把握し、未受診者のリストを週単位で更新して、直属の上司から個別に声をかけてもらう体制を構築します。「いつ受診する予定か」を具体的に確認されると、従業員側もスケジュールの確保に向けて動き出しやすくなる傾向があります。
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経営層から健康診断の重要性を発信する
「会社として従業員の健康を第一に考えている」というメッセージを社長や役員から全社に向けて直接発信することで、受診に対する社内の意識が変わるきっかけになります。安全衛生委員会や全社集会などの場で、経営トップが自らの言葉で健康診断の意義を語る機会を設ける施策が有効です。現場の管理職もこの方針に沿って部下への声かけを行うようになり、全社一丸となった取り組みとして推進しやすくなります。
4.健康管理システムの活用による受診率向上のメリット
ここまで紹介した施策を手作業だけで運用し続けると、従業員規模が大きい企業ほど人事担当者の負荷が膨らみます。そこで注目されているのが、健康管理に特化したシステムの導入です。システムを活用することで得られる主なメリットを、業務効率の観点から確認していきましょう。
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メリットの観点 |
システムがもたらす効果 |
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業務の一元化 |
予約状況から結果データまでを一つのシステム内で管理できる |
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勧奨の自動化 |
未受診者を自動抽出し、リマインド通知の手間を削減できる |
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予約から結果管理までを一元化し負担を軽減できる
健康管理システムを導入すると、従業員ごとの健診予約状況、受診の有無、健診機関から戻ってきた結果データまでを一つのプラットフォーム上で管理できます。紙の健診結果をExcelに手入力する作業や、予約状況の確認のために複数の書類を照合する手間がなくなります。結果として、人事担当者はデータ入力作業から解放され、未受診者へのフォローや職場環境の改善など、本来注力すべき業務に時間を割けるようになります。
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未受診者の抽出と受診勧奨を自動化できる
システム上に受診予定日や完了ステータスが記録されるため、未受診者を正確に抽出する作業がスムーズに完結します。対象者に対してシステムから自動でリマインドメールを送信する機能を使えば、人事担当者が一人ひとりにメールを作成する負担はかかりません。部署ごとの受診率をグラフで可視化する機能が備わっているシステムもあり、受診率が低い部署の管理職へピンポイントで対策を促す運用も容易になります。
まとめ
健康診断の受診率向上には、勤務時間内の受診許可や予約手配の代行といった従業員の負担を取り除く施策と、未受診者への個別リマインドを組み合わせた体制づくりが重要です。加えて、経営層からの発信や健康管理システムの活用によって、全社的な推進力を高めることが受診率100%達成への近道となります。
さらに、受診率の改善だけでなく、健診後の運動習慣づくりまで支援することで健康経営の実効性は一段と高まります。メガロスの法人向けサービスでは、法人会員制度やオンラインフィットネス、健康セミナーなどを通じて従業員の健康増進を総合的にサポートしています。受診率向上とその先の健康経営推進をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<最後に>
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