更年期で仕事がつらい・辞めたい方へ|対処法と使える制度を解説
急なほてりや倦怠感など、更年期の症状が原因で今の仕事を辞めたいと悩んでいませんか。これまでのように働けないもどかしさから、周囲に迷惑をかけていると自分を責めてしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、更年期の不調で仕事が辛いと感じる方に向けて、症状を和らげる対処法や職場で活用できる制度について解説します。最後までお読みいただくことで、無理なく働き続けるための具体的な選択肢が見つかり、心と体の負担を軽くする一歩を踏み出せるようになります。
1.更年期に仕事がつらいと感じる主な理由と症状
更年期には女性ホルモンの急激な減少により、心身にさまざまな変化が訪れます。
「最近なんとなく体が重い」「以前より感情のコントロールが難しい」と感じていても、それが更年期によるものだと気づいていない方も少なくありません。症状は身体面・精神面の両方に及び、その現れ方や程度は人によって大きく異なります。
まず自分の不調の原因を正しく理解することが、対処への第一歩となります。
| 症状の分類 | 具体的な症状の例 | 仕事への主な影響 |
| 身体的な不調 | 突然のほてりや発汗 強い倦怠感 肩こり 頭痛 めまい |
会議中の発汗で集中できない、疲労感により作業効率が低下する |
| 精神的な不調 | イライラ感 気分の落ち込み 不安感 不眠 集中力の低下 |
些細なことで同僚と衝突してしまう、判断ミスが増えて自信を失う |
厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」でも、「更年期症状のうち、生活に支障が出る場合を更年期障害といいます。更年期障害になると、QOL(生活の質)が低下して、働く女性の場合は仕事の能率が落ちたり、体調が悪いため仕事を継続できなくなって離職する場合もでてきてしまいます」と記載されています。
このように、更年期の症状は決して甘えではなく、ホルモンバランスの変化によって引き起こされる医学的な問題と言えます。不調の原因を正しく理解し、自分を責めないことが重要です。
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身体的な不調が業務の妨げになるケース
身体的な不調は、日々の業務に直接的な影響を及ぼすことが多いと言えます。
たとえば、ホットフラッシュと呼ばれる急な発汗やのぼせは、重要な会議中や接客中に起こると非常に焦りを感じてしまうものです。汗を拭くことに意識が向いてしまい、相手の話に集中しづらくなる場合もあります。
くわえて、十分な睡眠をとっているはずなのに強い倦怠感が抜けず、朝起き上がるのすら辛いという状況に陥る場合もあります。これまで難なくこなせていた業務でも作業スピードが落ち、残業が増えて疲労がさらに溜まるという悪循環に陥るケースもあります。
無理をして働き続けると、症状がさらに悪化する可能性もあるため、早めに自分の体の変化に気づくことが重要となります。
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精神的な不調が人間関係に影響するケース
精神的な症状もまた、職場での悩みを深くする大きな要因となります。
女性ホルモンの変動は自律神経の乱れを引き起こし、感情のコントロールを難しくさせます。普段であれば気にならないような些細な同僚の言葉にイライラしてしまったり、逆に深く落ち込んでしまったりすることが増えるかもしれません。感情の起伏が激しくなることで、周囲とのコミュニケーションに溝が生まれ、職場の人間関係がぎくしゃくしてしまう場合もあります。
また、集中力や記憶力が低下することで、これまでしなかったようなミスを連発し、「自分はもうこの仕事に向いていないのではないか」と自信を喪失してしまう方もいらっしゃいます。こうした精神的な不安は周囲に理解されにくいため、一人で抱え込んでしまいがちですが、決してあなたの性格が変わったわけではないという事実を知っておいてください。
2.更年期の症状を和らげて仕事の負担を減らす対処法
更年期の不調は、適切なアプローチによって症状を和らげることが可能です。「自然に治るまで我慢するしかない」と思い込んでいる方もいますが、その必要はありません。
医療機関での治療と日常生活の工夫を組み合わせることで、仕事への影響を軽減できるケースは多くあります。自分に合った方法を見つけるためにも、まずは選択肢の全体像を把握しておきましょう。
| アプローチの手段 | 主な内容と特徴 | 期待できる効果 |
| 婦人科などでの医療的治療 | ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬の処方 症状に応じた薬物治療 |
不足した女性ホルモンを補い、根本的な症状の改善を図る |
| 日常生活でのセルフケア | 適度な運動 バランスの取れた食事 良質な睡眠の確保 |
自律神経の乱れを整え、心身のリラックスを促す |
| 働き方の見直し | 業務量の調整 リモートワークの活用 休憩時間の確保 |
体力的な負担を減らし、症状が出た際に対処しやすくなる |
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医療機関を受診して適切な治療を受ける方法
症状が辛いと感じたら、まずは婦人科を受診することをご検討ください。
厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」の更年期に関するページにおいても、「女性が更年期に離職することなく働き続けるためには、更年期に現れやすい不調や治療について知り、がまんせず早めに適切な治療を受けることが大切です」と明記されています。
婦人科では、血液検査などでホルモン値を測定し、更年期障害であるかどうかを診断してもらえます。代表的な治療法としては、減少した女性ホルモンを薬で補う「ホルモン補充療法(HRT)」があり、ほてりや発汗などの症状に対して高い効果が期待できるでしょう。
また、体質に合わせて漢方薬を処方してもらったり、精神的な症状が強い場合には抗うつ薬や睡眠導入剤による治療が提案されることもあります 。専門医のサポートを受けることで、「どうすればよくなるのかわからない」という不安が和らぎ、前向きに仕事に向き合いやすくなるでしょう。
参考:更年期 | 女性特有の健康課題 | 働く女性の心とからだの応援サイト
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日常生活の中で取り入れられるセルフケア
医療機関での治療と並行して、日々の生活習慣を見直すことも症状の緩和に繋がります。
たとえば、自律神経のバランスを整えるためには、質の高い睡眠を確保することがとても大切です。寝る前のスマートフォン操作を控えたり、ぬるめのお湯にゆっくり浸かったりして、心身をリラックスさせる時間を作ってみてください。
また、大豆イソフラボンなど、女性ホルモンと似た働きをする成分を含む食品を積極的に食事に取り入れることも良いとされています 。
くわえて、ウォーキングやヨガなどの軽い有酸素運動を習慣づけることで、血流が改善し、肩こりや冷えなどの身体的症状が和らぐ効果も期待できるでしょう。仕事が忙しいと自分のケアを後回しにしてしまいがちですが、いまは自分を労わる時期だと割り切り、意識的に休息をとるよう心がけてみてはいかがでしょうか。
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働き方の見直しで体への負担を軽くする
症状が重い時期は、働き方そのものを見直すことも有効な対処法のひとつです。
たとえば、リモートワークを活用すれば通勤による体力消耗を抑えられますし、業務量を一時的に調整することで、無理なく仕事を続けやすくなります。また、こまめに休憩を取ることで、ほてりや倦怠感が出た際にもその場で対処しやすくなるでしょう。症状を抱えながら無理をして悪化させるよりも、上司や職場に状況を伝え、柔軟な働き方を相談することが、長く働き続けるための選択肢となります。
3.職場で更年期の悩みを相談する際のポイントと活用できる制度
症状が仕事に影響し始めたとき、「周囲に迷惑をかけたくない」という思いから一人で抱え込んでしまう方は多いものです。しかし、早めに職場へ相談し、利用できる制度を把握しておくことが、長く働き続けるための重要なカギとなります。誰に・何を・どのように伝えるかを事前に整理しておくだけで、相談のハードルはぐっと下がります。
| 相談する相手 | 相談の目的 | 期待できるサポート内容 |
| 直属の上司 | 業務量やスケジュールの調整をお願いする | 期限の延長 業務の分担 リモートワークの許可など |
| 産業医・保健師 | 医学的な見地からのアドバイスや配慮を求める | 会社への意見書の提出 健康管理に関する具体的な助言 |
| 人事・総務担当者 | 会社の制度に関する情報収集と利用相談 | 傷病手当金や休職制度 フレックスタイム制などの手続き案内 |
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上司や産業医に現状を正しく伝えるための準備
職場へ相談する際は、自分の状況を客観的かつ具体的に伝える準備をしておくことが大切です。ただ「体調が悪くて辛い」と伝えるだけでは、どの程度業務に影響が出ているのかが相手に伝わりにくいからです。
まずは、現在どのような症状があり、それが原因でどの業務に支障が出ているのかをノートなどに書き出してみてください。そのうえで、「午前中は体調が優れないことが多いので、重要な会議は午後に設定してもらえないか」「特定の業務を一時的に他のメンバーと分担できないか」など、具体的な要望を添えて上司に相談することをおすすめします。
もし直属の上司に話しにくい場合は、会社の産業医や保健師、あるいは人事の相談窓口を利用するのも一つの方法です。医療の専門家である産業医であれば、あなたの症状を医学的な観点から理解し、会社に対して適切な配慮を促す意見書を出してくれることもあります。
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会社の休暇制度や柔軟な働き方を利用する手順
体調が著しく悪い場合は、無理をして出社を続けるのではなく、会社の制度を利用して休養をとることも検討してください。
企業によっては、有給休暇とは別に「シックリーブ(病気休暇)」や「女性特有の休暇制度」を設けている場合があります。
また、近年はリモートワークやフレックスタイム制を導入した企業も増えており、これらを活用することで通勤の負担を減らしたり、体調に合わせて働く時間を調整したりすることが可能です。
もし長期間の休養が必要な場合は、休職制度の利用も視野に入ります。休職期間中は、健康保険から「傷病手当金」が支給されるケースもあり 、経済的な不安を軽減しながら治療に専念できる仕組みが整えられているケースも存在します。
まずは就業規則を確認したり、人事担当者に問い合わせたりして、自分が利用できる制度の選択肢を把握しておくことで、心にゆとりが生まれやすくなります。
4.【事例】更年期を含む女性の健康課題に取り組む企業の具体的な取り組み
更年期の症状による体調不良が原因で、仕事を続けることが難しくなるケースは少なくありません。厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」では、女性が働きやすい環境づくりに取り組む企業の事例を紹介しています。ここでは、更年期への対応を含む健康支援に積極的な2社の取り組みをご紹介します。
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「健康休暇」制度でホルモン変化に伴う不調にも対応
河村電器産業株式会社(愛知県瀬戸市)は、製造業という男性比率の高い職場環境でありながら、女性従業員の健康に配慮した「健康休暇」制度を設けています。
この制度は生理休暇という名称をなくして健康休暇に一本化し、更年期不調や不妊治療なども取得対象に含めています。女性には年間15日(12日+3日)を付与し、半日単位での取得も可能です。体調が長引いた場合は積み立て型の有給休暇との併用もできるなど、継続的な不調にも対応しやすい仕組みになっています。
参考:河村電器産業 株式会社 | 企業取組事例 | 働く女性の心とからだの応援サイト
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「YOU休」と週1回の1on1で、相談しやすい職場環境を整備
株式会社PHONE APPLIは、生理や更年期障害に伴う体調不良にも対応した特別休暇「YOU休」を設けており、月1日または半日×2回の範囲で有給休暇を追加取得できます。
制度名は「あなた」を意味する「YOU」と「有給」を掛け合わせた独自の名称で、休暇理由を言い出しにくいという従業員の声から生まれたものです。また、上司が部下の話を聴く「Weekly 1on1」を週1回25分実施することで、日常的に相談しやすい環境づくりにも取り組んでいます。
まとめ
更年期の不調で仕事が辛いと感じる状況を放置せず、適切な対処法と職場の制度を活用して乗り切るためのポイントをまとめます。
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今の辛い時期がずっと続くわけではなく、適切なケアを取り入れることで少しずつ状況を改善していけるはずですので、まずはご自身の心と体を一番に労ってあげてください。
<最後に>
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