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「定期健康診断結果報告書」の書き方と提出義務|電子申請も解説

定期健康診断結果報告書とは、健康診断の結果を労働基準監督署に報告するための重要な書類です。常時50人以上の労働者がいる事業場に提出義務があります。本記事では、報告書の正しい書き方や間違いやすい項目、提出期限、2025年1月からの電子申請義務化への対応手順に加え、健診データを健康経営に活かす方法も解説します。

「定期健康診断結果報告書」の書き方と提出義務|電子申請も解説


定期健康診断結果報告書は、常時50人以上の労働者がいる事業場において、健診実施後速やかに労働基準監督署への報告が義務付けられている書類です。本記事では、対象となる事業場の条件や報告書の具体的な書き方に加えて、2025年1月から原則義務化された電子申請への対応手順を整理します。

この記事の要約

  • 常時50人以上の労働者がいる事業場には結果報告書の提出義務がある
  • 報告書は健診実施後おおむね1ヶ月以内を目安に管轄の労働基準監督署へ提出する
  • 2025年1月から原則としてe-Govを利用した電子申請が義務化されている
  • 在籍者と受診者の違いや、有所見者と医師の指示人数の区別が記入の鍵となる
  • 健診結果は要配慮個人情報として扱い、事業場ごとに分けて作成する

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1.定期健康診断結果報告書の提出義務と対象企業

報告書の提出義務は、企業全体の人数ではなく事業場ごとの労働者数で判定します。労働者をカウントする際の基準を整理します。

観点

判断基準

提出義務の発生条件

常時50人以上の労働者を使用する事業場

アルバイトなどの扱い

労働時間に関わらず常態として業務に従事していれば数に含める


  • 常時50人以上の労働者を使用する事業場に提出義務が生じる

労働安全衛生法の規定により、常時50人以上の労働者を使用する事業場は定期健康診断結果報告書を提出しなければなりません。企業全体の総数ではなく、本社や各支店といった事業場単位で人数を判定します。たとえば、本社に60人、支店に30人が在籍している場合、提出義務が生じるのは本社のみです。

参考:労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索(第52条)


  • パートやアルバイトの労働時間によってカウント基準が変わる

事業場の規模(50人)を数える際は、短時間労働者でも常態として使用していればカウントの対象に含めます。一方で、健康診断の「受診対象者」として数えるのは、週の所定労働時間が正社員の4分の3以上となる労働者です。規模を判定するための人数と、実際に健診を受けさせる義務がある人数は基準が異なるため、両者を混同せずに数え分ける必要があります。

参考:定期健康診断結果報告書(様式第6号)の記入方法(京都労働局)

参考:パート労働者にも健康診断が必要?(愛知労働局)


2.報告書はいつ・どこへ提出する?

提出期限と提出先のルールは法令で定められています。速やかな手続きに向けて、提出の目安と管轄先を確認します。

項目

提出の目安・提出先

提出期限

健診実施後おおむね1ヶ月以内が目安(遅滞なく提出する)

提出先

各事業場の所在地を管轄する労働基準監督署


  • 法律上の明確な期限はないが健診実施後おおむね1ヶ月以内が目安となる

報告書の提出期限について、法令では具体的な日数が規定されておらず、「遅滞なく」提出すると定められています。実務上は、健診を実施してからおおむね1ヶ月以内を目標に処理を進めます。健診機関から結果データが届き次第、速やかに集計作業へ移行できる体制を整えておきます。

参考:定期健康診断結果報告書(様式第6号)の記入方法(京都労働局)


  • 本社ではなく各事業場を管轄する労働基準監督署が提出先となる

報告書の提出先は、対象となる各事業場の所在地を管轄する労働基準監督署です。複数の事業場で提出義務が生じた場合、本社を管轄する監督署へ一括で提出することはできません。事業場の所在地ごとに管轄を確認し、それぞれ個別に報告の手続きを行います。

参考:健康診断結果報告書様式一覧(仙台労働基準監督署)


3.2025年1月から原則義務化された電子申請への対応

法改正により、一定規模の事業場では手続きのデジタル化が進められています。対象となる手続きと準備手順を整理します。

項目

要点

義務化の対象

2025年1月から常時50人以上の事業場で、定期健康診断結果報告書や産業医選任報告などの電子申請が原則義務化

申請の事前準備

GビズIDを取得してe-Govと連携させ、発行に時間がかかるため提出時期の前に準備を終える


  • 定期健康診断結果報告を含む複数の手続きが義務化の対象になっている

厚生労働省の規定により、2025年1月1日から労働安全衛生法関係の一部の手続きについて、電子申請が原則義務化されました。この対象には定期健康診断結果報告書のほか、産業医選任報告やストレスチェック結果報告なども含まれる仕組みです。書面での提出からデジタル化へ移行したため、社内の運用ルールを電子申請に合わせて見直す必要があります。

参考:令和7年1月1日より労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます


  • e-Govシステムを利用した申請手順とアカウントの事前準備を進める

電子申請に対応するためには、政府の電子窓口であるe-Gov(各府省が所管する行政手続きをオンラインで行うためのポータルサイト)のアカウントを事前に準備しておく必要があります。たとえば、企業のGビズIDを取得し、e-Govと連携させて申請フォームに入力する環境を構築します。アカウント発行には数週間かかるケースもあるため、提出時期が迫る前に準備を終えておきます。

参考:利用準備 | e-Gov電子申請

 


4.定期健康診断結果報告書の書き方と間違いやすい項目

報告書の書式には、数値を正確に区分して記入すべき項目が複数存在します。ミスが起きやすい箇所の書き方を整理します。

記入項目

要点

労働保険番号・年月日

対象年と健診実施年月日を正確に記載する

在籍・受診労働者数

事業場規模の人数と実際の受診者数を分けて集計する

有所見者と指示人数

異常があった人数と要医療・要精密検査等の指示を受けた人数を区別する

産業医の氏名・所属

氏名と所属を明記する(押印・電子署名は省略可能)


  • 労働保険番号と対象年・健診年月日の基本的な書き方を押さえる

報告書の上部には、労働保険番号や対象年、実際の健診年月日を正確に記入します。健診が数日間にわたって実施された場合は、最終の受診日が健診年月日です。労働保険番号が不明なときは、過去の年度更新申告書などの控えを参照して数字を埋めます。

参考:健康診断結果報告書様式一覧(仙台労働基準監督署)


  • 在籍労働者数と受診労働者数は分けて正確に集計する

在籍労働者数と受診労働者数は、異なる基準で人数を数えて記入します。在籍労働者数には常態として使用しているすべての従業員を含めるルールです。対して受診労働者数は、対象期間中に実際の定期健康診断を受けた人数のみを記載します。休職中などで未受診の従業員がいる場合、両者の数字は一致しません。

参考:定期健康診断結果報告書(東京労働局)


  • 所見のあった人数と医師の指示人数の違いを正しく理解しておく

「有所見者」と「医師の指示人数」は明確に区別して記入します。有所見者は健診結果において何らかの異常があると診断された人数です。一方で医師の指示人数は、有所見者のうち、要医療や要精密検査など医師による指示を受けた人数を指す項目です。この2つを同じ数字で記入してしまうミスが多いため、健診結果の所見欄を個別に確認して集計を進めます。なお、項目ごとの有所見者数は、職場全体の健康課題をつかむためのデータとしても活用できます。

参考:定期健康診断結果報告書(東京労働局)


  • 産業医の氏名と所属機関を明記する(押印や電子署名は省略できる)

所定の欄には、選任している産業医の氏名と所属する医療機関名などを記入します。2020年の法改正に伴い、産業医の押印や電子署名は省略可能となりました。ただし、産業医からの意見聴取自体が不要になったわけではないため、健診結果に対する意見をもらったうえで氏名を記載します。

参考:健康診断個人票や定期健康診断結果報告書等について、医師等の押印等が不要となります。(厚生労働省)


5.報告書を作成する際の人事労務担当者の注意点

書類の作成や管理の過程では、情報漏洩や対象漏れを防ぐ管理体制が求められます。担当者が守るべき実務上の注意点を確認します。

観点

実務上の注意点

個人情報の管理

要配慮個人情報としてアクセス権限を厳格に制限する

複数事業場の対応

事業場の所在地ごとに書類を分けて作成・提出する

特殊な様式

歯科健康診断などは別の専用様式で報告する


  • 従業員の健診結果など要配慮個人情報の取り扱いに注意を払う

健康診断の結果は「要配慮個人情報」(本人の不当な差別や偏見が生じないように特に慎重な取り扱いが求められる個人情報)に該当するため、厳重な管理体制を敷いて対応します。たとえば、人事部門内でもファイルへのアクセス権限を特定の担当者のみに限定するなどの措置が有効です。集計や保管の過程で従業員のプライバシーが侵害されないよう、社内規定に沿ってデータを慎重に取り扱います。

参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) |個人情報保護委員会


  • 複数の事業場がある場合は事業場ごとに作成して提出を分ける

事業場が複数ある企業では、対象となる各事業場単位で報告書を作成します。全社の数値を合算して1枚の報告書にまとめることは認められていません。拠点ごとに健診の実施時期や受診者数を正確に把握し、個別のデータとして集計する作業手順を構築します。


  • 歯科健康診断など別の様式が必要なケースを見落とさない

有害な業務に従事する労働者を対象とした歯科健康診断の結果は、通常の定期健康診断結果報告書とは別の様式で報告します。塩酸や硝酸などを取り扱う業務により、歯牙酸蝕症を起こす恐れがある労働者が対象です。対象者がいる事業場では、半年に1回の健診実施と専用様式での報告義務があるため、書類の種類を間違えないように対応します。

参考:労働安全衛生規則の一部を改正する省令(厚生労働省令第八十三号)

参考:健康診断について(秋田労働局)


6.健康診断の結果を企業の健康経営にどう活かすか

告書の提出は法的な義務を果たすだけでなく、職場の健康課題を把握する出発点になります。集計データを健康経営に活用する流れを整理します。

目的報

具体的な活用方法

健康課題の特定

有所見者の傾向から職場の生活習慣の改善点を洗い出す

施策の選定

課題や働き方に合わせて運動・セミナー・検査などの施策を選ぶ

効果の検証

翌年の健診結果と比較し、施策の効果を確認する


  • 報告書の有所見者データから職場全体の健康課題を特定できる

報告書に集計された有所見者の割合や異常項目の傾向を分析することで、自社に共通する健康課題を特定できます。たとえば、血圧や脂質の項目で該当者が多い場合は、運動不足や食生活の乱れが職場全体に広がっている可能性があります。データを提出して終わりにせず、産業医と連携して課題を可視化し、改善施策の検討材料として活用します。


  • 健康課題や従業員の働き方に合わせて施策の形式を選ぶ

課題が明らかになっても、参加しにくい施策では改善につながりにくくなります。通勤圏内に施設があればスポーツクラブの法人会員、近くに施設がなければ出張プログラム、拠点が分散していればオンラインセミナーといったように、拠点の場所や勤務形態に合わせて無理なく続けられる形式を選びます。健康状態を見える化したい場合は、検査キットと解説セミナーを組み合わせる方法もあります。複数の形式を組み合わせられるかどうかも、比較検討時の判断材料になります。

【関連記事】健康経営の取り組み事例6選!企業の成功施策と進め方を解説


  • 翌年の健診結果と比較して施策の効果を検証する

施策を一度実施して終わりにせず、翌年の報告書で有所見者の割合や項目の変化を比較し、効果を検証します。参加率や従業員の声もあわせて振り返ることで、次年度に重点を置くべき施策が明確になります。健診結果の活用と改善の取り組みを継続することが、健康経営を社内に定着させる基盤となります。


まとめ

定期健康診断結果報告書は、常時50人以上の労働者を抱える事業場において、健診実施後速やかに労働基準監督署へ提出する書類です。2025年1月からは電子申請が原則義務化されているため、e-Govシステムのアカウント準備と、在籍者と受診者、有所見者と医師の指示人数を正確に区分した集計作業が必要になります。

人事・労務担当者にとっては、法改正への対応や細かな集計作業で業務負担が増加しやすく、集めたデータを従業員の健康改善にまで活かしきれないケースも少なくありません。報告業務を適切に行ったうえで、集計データから見えた課題に合う施策を選び、継続的に改善を図ることが健康経営の第一歩です。
メガロスを運営する野村不動産ライフ&スポーツでは、スポーツクラブの法人会員プランをはじめ、職場で体力測定会などを行う出張プログラム、オンラインセミナー、検査結果をもとに専門家が解説する「じぶん検査&プレミアムセミナー」など、企業の健康課題に合わせた法人向けサービスを提供しています。「健診結果をどの施策につなげればよいか分からない」という段階でもご相談いただけますので、従業員の健康づくりの進め方に迷った際はお気軽にお問い合わせください。

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<最後に>


野村不動産ライフ&スポーツは、2024年2025年と連続でホワイト500を取得いたしました。また野村不動産グループ各社が健康経営優良法人認定取得に向けた施策実行をサポートしております。

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