受動喫煙対策はどう進める?企業が守るべき法律と具体的な手順
受動喫煙対策とは、従業員の健康を守るために職場を全面禁煙や分煙にする取り組みです。本記事では、企業に対策が求められる背景や放置するリスク、全面禁煙と分煙の違い、具体的な導入手順を詳しく解説します。
職場における受動喫煙対策は、改正健康増進法や労働安全衛生法により企業に義務付けられた重要な法的要件です。本記事では、企業に対策が求められる背景や放置するリスクから整理します。さらに、全面禁煙と分煙の違いを比較し、自社に最適な環境を整備するための具体的な導入手順までを順を追って解説します。
1.なぜ受動喫煙対策が求められるのか
近年、働く人の健康を守る意識の高まりや法制度の整備を受けて、受動喫煙対策は多くの企業にとって避けて通れない経営テーマとなりました。ここでは、なぜ現代の企業に受動喫煙への取り組みが強く求められるのか、その背景にある社会的な流れと企業側に生じている主な要因を整理していきます。
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対策が求められる背景 |
具体的な理由 |
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健康被害の防止 |
肺がんや虚血性心疾患などの重大な疾患リスクを排除する |
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法的義務の遂行 |
健康増進法および労働安全衛生法が定める事業者の責任を果たす |
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企業価値の向上 |
健康経営の推進により、社会的評価や採用力を高める |
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従業員の健康被害を未然に防ぐ
受動喫煙対策の中心的な目的は、タバコの煙を吸わない従業員を重大な健康被害から守ることです。副流煙には主流煙以上に多くの有害物質が含まれており、肺がんや虚血性心疾患、脳卒中などの発症リスクを高めることが科学的に証明されています。厚生労働省の推計では、日本国内で年間約1万5,000人が受動喫煙を原因とする疾患で死亡しているとされています。職場という長時間滞在する空間の空気を清浄に保つことは、働く人々の命と健康を直接的に保護する取り組みに値します。
参考:厚生労働省「日本では受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡」(PDF)
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健康増進法の法的義務を果たす
2020年4月に全面施行された改正健康増進法により、多くの企業(第二種施設)において「原則屋内禁煙」が義務化されました。これに伴い、屋内で喫煙を認める場合は、法的な基準を満たした喫煙専用室の設置が求められます。
同時に、労働安全衛生法でも事業者の努力義務として、職場の実情に応じた受動喫煙防止措置が求められています。法律によって明確なルールが定められた以上、企業は喫煙環境の整備を先送りできません。
参考:受動喫煙対策|厚生労働省
参考:労働安全衛生法 | e-Gov 法令検索(第68条の2)
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企業価値を高め採用力を強化する
適切な受動喫煙対策は、従業員を大切にする企業としての姿勢を示し、対外的な評価の向上に寄与します。近年注目を集める「健康経営優良法人」の認定基準にも受動喫煙対策が必須項目として組み込まれており、要件を満たすことで金融機関からの優遇や企業ブランディングの強化が期待できます。また、ハローワークなどの求人票でも職場の受動喫煙対策状況を明示することが義務付けられているため、クリーンな環境の整備は優秀な人材を確保する上でも有利に働きます。
参考:経済産業省・日本健康会議「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)認定要件」
2.対策を怠ると企業はどうなるのか
受動喫煙対策を後回しにすると、企業は法的にも組織運営の面でも複数のリスクを抱え込みます。ここでは、対策を怠った場合に生じやすい代表的な影響を、法的観点と組織運営の観点から整理します。
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放置した場合のリスク |
想定される具体的な被害 |
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罰則の適用 |
再三の命令に従わない場合、最大50万円の過料が科される |
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損害賠償請求 |
安全配慮義務違反として従業員から訴訟を起こされる |
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人材流出の加速 |
職場環境への不満から、優秀な人材の離職につながる |
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指導や過料などの罰則を受ける
改正健康増進法のルールに違反した場合、都道府県知事などから指導や勧告、命令を受ける対象となります。再三の命令に従わない悪質なケースでは、最大50万円の過料が科される規定が設けられています。たとえば、基準を満たさない喫煙室を設置したり、禁煙エリアに灰皿を置いたままにしたりする行為は明確な法令違反です。罰則の適用は企業のコンプライアンス意識の低さを露呈させるため、社会的信用の失墜を招くことにもつながります。
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:従業員から損害賠償を請求される
企業には、労働契約法に基づき、従業員が安全かつ健康に働けるよう配慮する「安全配慮義務」が課せられています。受動喫煙によって従業員が体調を崩したり、精神的な苦痛を受けたりした場合、この安全配慮義務に違反したとして損害賠償を請求される事例も珍しくありません。過去の裁判例でも、職場の受動喫煙対策を怠った企業に対して賠償を命じる判決が出ています。訴訟による金銭的負担だけでなく、対応に追われる時間的コストも企業経営を圧迫する要因になり得ます。
参考:労働契約法 | e-Gov 法令検索(第5条)
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職場環境が悪化し人材流出を招く
煙の臭いや健康への不安が常態化すると、非喫煙者のストレスが蓄積し、職場のモチベーション低下や離職を引き起こします。特に健康意識の高い若手社員にとって、受動喫煙への配慮がない職場は長く働き続けたい環境とは言えません。一度悪化した労働環境の評判は口コミや転職サイトを通じて広がりやすく、その後の採用活動にも長く尾を引く傾向があります。
3.職場で実施できる対策の選択肢
実際に受動喫煙対策を進めるとき、企業には状況に応じて複数の選び方が用意されており、必ずしも「全社一律で禁煙」という単一の答えがあるわけではありません。ここでは、自社の建物構造や従業員構成、確保できる予算などを踏まえて検討したい、代表的な3つのアプローチについて概観していきます。
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対策の選択肢 |
概要 |
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敷地内の完全禁煙 |
建物内および屋外の敷地全体で喫煙を禁止する |
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屋内の喫煙専用室 |
厚生労働省の技術的基準を満たした喫煙室を屋内に設ける |
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屋外の専用喫煙所 |
建物の外にパーテーションなどで区切った喫煙場所を設ける |
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敷地内を完全に禁煙にする
敷地内や建物全体を完全に禁煙とする措置は、受動喫煙のリスクを根本から断ち切る有力な方法です。ルールを制定して灰皿を撤去するだけで実施できるため、方針を決めればすぐに着手しやすい点が特徴です。健康経営を強く推し進めたい企業や、医療機関・学校など第一種施設に該当する事業所で多く採用されています。
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屋内に喫煙専用室を設置する
オフィスビルや工場など、原則屋内禁煙となる第二種施設において、屋内に専用の喫煙室を設けて空間を分ける方法です。壁や天井で完全に区画し、入り口の風速や屋外への排気など、法令で定められた技術的基準を満たす必要があります。初期費用はかかりますが、天候に左右されず喫煙できるため、喫煙者の利便性を保ちながら非喫煙者を煙から守れます。
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屋外に専用の喫煙所を設ける
敷地内の屋外にスペースがある場合、建物の外に喫煙所を設けるのも有効な選択肢です。非喫煙者が通行しない場所を選び、パーテーションや屋根を設置して煙が周囲に流れないよう配慮します。屋内への排気ダクト工事が不要なため、屋内の喫煙専用室に比べて工期が短く、比較的安価に導入できるケースが多いです。
4.全面禁煙を選ぶメリット
敷地内を全面禁煙とする方針は、これから受動喫煙対策を本格的に始めようとする企業の間で選ばれることが増えている選択肢です。ここでは、この方針を採用することで得られる主な利点について、従業員の健康面と企業運営のコスト面という2つの視点から順を追って整理していきます。
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全面禁煙のメリット |
具体的な効果 |
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リスクの完全排除 |
社内での受動喫煙による健康被害リスクをゼロにできる |
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コストの抑制 |
喫煙室の設置工事や空気清浄機の維持費が発生しない |
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受動喫煙のリスクをゼロにできる
敷地内からタバコの煙を排除することで、非喫煙者が社内で副流煙に晒される機会をなくせます。健康被害のリスクを根本的に取り除けるため、安全配慮義務を果たす観点からも選ばれやすい手段です。また、喫煙者自身にとっても、喫煙できる場所がなくなることで本数が減り、禁煙のきっかけとなる相乗効果が期待できます。
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新たな設備投資や維持費を防げる
喫煙室を設けないため、排気設備の工事費用や、空気清浄機のフィルター交換といった喫煙室に伴うランニングコストが発生しません。清掃担当者が吸い殻の処理や灰皿の洗浄を行う手間も省けるため、労務管理上のコスト削減にもつながります。限られたオフィスのスペースを、会議室やリフレッシュエリアなど別の用途に有効活用できる点も大きな利点です。
5.全面禁煙を選ぶデメリット
敷地内全面禁煙は理想的に見える一方で、社内の喫煙者に十分な配慮を払わないまま導入を進めると、思わぬ副作用を生む可能性があります。ここでは、方針の切り替え時に企業側があらかじめ想定しておくべき代表的な課題を、社内で起こりやすい反応と対外的な影響の両面から確認していきます。
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全面禁煙のデメリット |
懸念される問題点 |
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喫煙者の不満増加 |
リフレッシュの機会を奪われたと感じ、離職の引き金になる |
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隠れ喫煙の横行 |
近隣の路上やコンビニ前での喫煙が増え、トラブルを招く |
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喫煙者の不満が溜まり離職を招く
長年タバコを吸ってきた従業員にとって、勤務時間中に一切喫煙できない環境は強いストレスをもたらします。喫煙者の割合が多い職場で十分な説明を行わずに全面禁煙を強行すると、経営陣への反発を招き、最悪の場合は優秀な人材の離職につながるリスクがあります。移行期間を設けたり、禁煙外来の費用補助を行ったりと、喫煙者に対するケアを並行して進める必要があります。
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周辺での隠れ喫煙トラブルを招く
敷地内を禁煙にした結果、行き場を失った喫煙者がオフィスの周辺道路や近隣のコンビニ前などで喫煙するケースが頻発します。吸い殻のポイ捨てや煙の臭いが原因で、地域住民からのクレームに発展する事態も起こり得ます。自社の敷地外であっても、従業員の行動が企業のイメージに影響するため、近隣での喫煙マナーを含めたルール作りが求められます。
6.分煙環境を整備するメリット
喫煙室や喫煙ブースを設置して分煙環境を整えるアプローチは、喫煙者と非喫煙者の双方が働きやすい職場を実現するための現実的な選択肢です。ここでは、全面禁煙ではなく分煙という選択肢を採用することで、組織運営や人材確保の面において企業が得られる代表的な利点を整理していきます。
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分煙環境のメリット |
期待できる効果 |
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対立の回避 |
喫煙者と非喫煙者の摩擦を減らし、職場環境を平穏に保つ |
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人材の引き止め |
喫煙制限を理由とした不満や人材の流出を防止する |
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喫煙者と非喫煙者の対立を防ぐ
喫煙のための専用スペースを用意することで、非喫煙者を煙から守りつつ、喫煙者のリフレッシュする権利も担保できます。双方が顔を合わせずに快適な空間で過ごせるため、煙の臭いや離席時間の長さを巡る社内の不和を未然に防ぐことが可能です。公平な職場環境が構築されれば、従業員同士のコミュニケーションも円滑になり、組織全体のエンゲージメント向上に寄与します。
【関連記事】従業員エンゲージメントとは?向上させるメリットと具体的な実践方法を解説
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喫煙を理由とする人材流出を防ぐ
仕事の合間の喫煙を重要な気分転換の手段としている従業員に対し、働きやすい環境を提供し続けられます。特に、取引先や業界全体の喫煙率が高い業種においては、自社だけが全面禁煙に踏み切ることで採用活動が不利になるケースも存在します。分煙環境を整備しておけば、喫煙習慣の有無を問わず幅広い層から人材を受け入れられるようになります。
7.分煙環境を整備するデメリット
分煙環境は喫煙者・非喫煙者の双方に配慮できる柔軟な方法ですが、導入を検討するときには相応の負担や制約が伴う点にも目を向ける必要があります。ここでは、実際に分煙を選んだ企業が直面しやすい実務面・運用面の課題を整理し、あらかじめ想定しておきたいポイントを確認していきます。
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分煙環境のデメリット |
対応すべき課題 |
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費用の発生 |
導入時の工事費や、定期的なメンテナンス費用がかかる |
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スペースの確保 |
オフィスの執務エリアを削って設置場所を作る必要がある |
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設備の導入や維持に費用がかかる
厚生労働省の基準を満たす喫煙室を設置するには、パーテーションの設置や強力な排気ダクトの工事など、数十万から数百万円規模の初期投資が必要です。さらに、運用開始後も空気清浄機のフィルター交換や設備の定期点検、専門業者による清掃費用といったランニングコストが継続的に発生します。予算規模の限られた中小企業にとっては、導入の決断を鈍らせる要因となりやすいです。
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新たな設置スペースを要する
屋内に喫煙専用室を設ける場合、既存の執務スペースや倉庫などを改修して場所を捻出しなければなりません。レイアウト変更の手間がかかる上、賃貸オフィスの場合は貸主の許可が必要となり、退去時の原状回復費用も上乗せで発生します。十分な広さが確保できない場合は、工事不要で省スペースに設置できるキャビン型の分煙機(喫煙ブース)を採用するなどの工夫が求められます。
8.受動喫煙対策を導入する手順
受動喫煙対策は、いきなり喫煙室の工事や禁煙ルールの発表から始めてしまうと、社内の反発や法令違反を招きかねません。方針決定から運用開始までを段階的に進めていくことが、円滑な導入と定着への近道です。ここでは、実務担当者が押さえておくべき代表的な進め方をステップ順に整理していきます。
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導入のステップ |
実施すべき具体的な内容 |
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状況の把握 |
社内の喫煙者割合や、現在の喫煙場所の課題を調査する |
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方針の決定 |
全面禁煙か分煙か、自社の予算とスペースを踏まえて決める |
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設備の導入 |
分煙を選ぶ場合は、助成金を活用し法令基準を満たす設備を整える |
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ルールの周知 |
就業規則を改定し、変更内容を全従業員へ丁寧に説明する |
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社内の喫煙状況や割合を把握する
対策の第一歩として、無記名アンケートなどで社内の喫煙者数や喫煙頻度を正確に調査します。同時に、非喫煙者が日頃感じている煙への不満や、設置場所に関する要望もヒアリングし、現状の課題を洗い出します。現場のリアルな声を拾い上げることで、一部の意見に偏らない公平な対策方針を立てるための基礎データが得られます。
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自社に最適な対策方針を決定する
調査結果とオフィスの構造、確保できる予算を照らし合わせ、全面禁煙にするか、分煙環境を整備するかを決定します。分煙を選ぶ場合は、屋内の喫煙室と屋外の喫煙所のどちらが現実的か、法令の技術的基準をクリアできるかを専門業者を交えて検討します。方針が固まったら、経営層から全社に向けて、健康経営の観点に基づく決定事項としてメッセージを発信します。
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助成金を活用し喫煙設備を導入する
分煙環境の整備に伴う金銭的負担を軽減するため、厚生労働省が実施している「受動喫煙防止対策助成金」の利用を検討します。中小企業を対象に、喫煙専用室の設置や基準を満たす喫煙ブースの購入にかかる費用の一定割合(最大100万円など)が助成される制度です。助成金を受けるには工事着工前に事前申請を行うことが要件となるため、スケジュールに余裕を持たせて手続きを進めます。
参考:受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)|厚生労働省
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社内へ周知し就業規則を改定する
設備が整っても、ルールが守られなければ意味がありません。就業規則に「指定場所以外での喫煙禁止」や「就業時間中の喫煙ルール」を明記し、違反時の取り扱いを定めます。新しい運用を開始する少なくとも数ヶ月前には、社内報や全体会議を通じてルールの変更点や移行スケジュールを周知し、喫煙者・非喫煙者双方が納得して働ける土壌を整えることが重要です。
9.受動喫煙対策の先で取り組みたい健康経営施策
受動喫煙対策は、健康経営を推進する上での最初のステップに位置づけられます。法令遵守と喫煙環境の整備を終えた後は、運動不足や生活習慣病、メンタル不調といった他の健康リスクにも視野を広げることで、より包括的な健康経営を実現できます。
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運動習慣の定着で生活習慣病リスクを抑える
オフィスワーク中心の職場では、従業員が一日の大半を座って過ごすため、運動不足による肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病リスクが高まる傾向があります。喫煙起因の健康被害を抑えても、運動習慣が欠けたままでは離職や休職の原因を根本から取り除くことはできません。福利厚生としてスポーツクラブの法人会員制度を導入したり、社内で運動促進イベントを開催したりすることで、喫煙者・非喫煙者を問わず全従業員の健康維持を後押しできます。
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健康セミナーで従業員の行動変容を促す
設備やルールを整えるだけでは、従業員一人ひとりの生活習慣までを変えることはできません。受動喫煙リスクや生活習慣病予防に関するオンラインセミナー、健康チェックと組み合わせた解説型のプログラムなどを通じて、正しい知識を継続的に提供する仕組みが有効です。従業員が自分の健康状態を数値で把握し、専門家の解説を受ける機会があれば、日々の食生活や運動習慣の見直しにもつながりやすくなります。
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法人向けサービスを活用し健康経営施策を継続する
健康経営施策を単発で終わらせず継続していくには、社内リソースだけで企画・運営を回し続けるのが難しくなる場面もあります。健康経営を支援する法人向けサービスでは、フィットネスプログラムの提供や健康セミナーの企画、健診結果に応じたフォローアップまでをワンストップで請け負う事業者も存在します。外部パートナーの知見を組み合わせることで、受動喫煙対策の先にある健康経営施策を、自社の負担を抑えながら中長期で継続していけます。
まとめ
職場における受動喫煙対策は、健康増進法等の法令要件を満たすと同時に、全面禁煙か分煙かの選択を通じて自社の職場環境をどうあるべきか判断する経営課題です。喫煙者と非喫煙者の意見を調整しながら、社内アンケートの実施や助成金の申請、法令に準拠した設備選定を一つひとつ進めることで、法令遵守と従業員の納得感を両立できます。
一方で、受動喫煙対策はあくまで健康経営の入口に位置づけられる施策であり、非喫煙化や分煙環境の整備だけで従業員の心身の健康が担保されるわけではありません。運動不足による生活習慣病リスクや加齢に伴う体力低下、メンタル不調など、職場全体で向き合うべき健康課題は多岐にわたります。
受動喫煙対策と並行して、従業員が主体的に運動や生活習慣の改善に取り組める仕組みを整えることで、健康経営優良法人の認定要件を満たしやすくなるだけでなく、生産性向上や採用力強化といった経営成果にもつながります。法人向けのフィットネスプログラムや健康セミナーを提供する外部パートナーを活用しながら、自社に合った健康経営の全体設計を進めていくことが重要です。
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<最後に>
野村不動産ライフ&スポーツは、2024年2025年と連続でホワイト500を取得いたしました。また野村不動産グループ各社が健康経営優良法人認定取得に向けた施策実行をサポートしております。
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