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ヘルスリテラシーとは?企業が高めるメリットと具体的な施策を解説

従業員のヘルスリテラシー向上は、労働生産性の改善や医療費削減に直結します。本記事では、ヘルスリテラシーの定義から日本人の現状、企業にもたらすメリット、測定指標、社内で実践できる具体的な取り組みまでを解説します。

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ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解・評価したうえで自身の健康決定に活用する力のことです。インターネット等で多様な情報が容易に手に入る現代において、従業員のヘルスリテラシー向上は企業の労働生産性改善や医療費削減に直結する経営課題の基盤となります。

本記事では、基礎となる3つのレベルの定義、日本人が抱える現状の課題から、企業が取り組むメリット、具体的な測定指標、社内で実践できる向上施策までを順に解説します。


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1.ヘルスリテラシーとは

ヘルスリテラシーは、単なる知識の有無にとどまらず、情報に基づき適切な行動を選択する一連のプロセスを指します。能力の深さに応じて3つのレベルに分類されます。


分類・観点

定義・要点

基本的な定義

健康情報を入手・理解・評価・活用する総合的な能力

1. 機能的レベル

日常生活で読み書きを通じて基礎的な健康情報を理解する段階

2. 相互作用的レベル

コミュニケーションを通じて情報を引き出し、自身の状況に適用する段階

3. 批判的レベル

情報を批判的に分析し、主体的な意思決定や生活環境の改善につなげる段階


  • 健康情報を入手・理解・評価・活用する力

ヘルスリテラシーは、あふれる健康・医療情報の中から正確なものを見極め、自身の健康維持や疾病予防に役立てる力です。インターネットで容易に情報が手に入る現代では、不確かな情報に惑わされず、科学的根拠に基づいた選択を行うスキルが前提となります。単に文字を読めるだけでなく、得た情報を実際の行動変容に結びつけるまでのプロセス全体が評価の対象です。


  • 機能的・相互作用的・批判的の3つのレベル

能力の習熟度は、機能的、相互作用的、批判的の3段階で構成されます。機能的レベルはパンフレットや処方箋の指示を読んで理解する基礎的な段階であり、相互作用的レベルは医師などの専門家から自ら情報を引き出して適用する段階を指します。さらに高度な批判的レベルに達すると、情報の妥当性を自ら吟味し、社会的な健康課題に対しても主体的に関与していくことが可能です。


2.日本人のヘルスリテラシーの現状と課題

日本人のヘルスリテラシーは、他国と比較して低い水準にとどまっています。国際的な傾向と、リテラシー不足によって生じるリスクを整理します。


観点

現状と生じるリスク

国際的な比較

ヨーロッパ諸国などと比較して、日本人のリテラシー水準は低い傾向にある

健康への影響

予防行動がとれず、生活習慣病の重症化やメンタルヘルス不調のリスクが高まる

経済的な損失

従業員の不調による労働生産性の低下や医療費負担の増大を招く


  • 諸外国と比較して日本のヘルスリテラシーは低い

日本人のヘルスリテラシーは、ヨーロッパ諸国やアジアの近隣諸国と比較して低い水準にあることが各種調査で示されています。 日本ではプライマリ・ケア(家庭医制度)の不十分さや、健康教育・意思決定能力育成の不足などが、国民が自らの健康管理や医療選択に主体的に関わりにくい背景として指摘されています。


  • リテラシー不足が招く健康リスクと経済的損失

ヘルスリテラシーが低い状態を放置すると、病気の初期症状への対処が遅れ、生活習慣病の重症化やメンタルヘルス不調といった健康リスクが高まります。企業活動の観点でも、従業員が不調を抱えたまま働くことによる労働生産性の低下は深刻な課題です。休職者の増加による業務負担の偏りや、会社が負担する医療費の増大といった経済的損失にも直結していく傾向があります。


3.企業が従業員のヘルスリテラシーを高めるメリット

従業員のヘルスリテラシー向上は、個人の健康増進だけでなく、企業の業績や社会的な評価にも直結します。企業活動にもたらされる主要な効果を整理します。


メリットの観点

企業活動への具体的な影響

労働生産性の向上

心身の不調によるパフォーマンス低下(プレゼンティーズム)が改善される

医療費・休職の削減

予防行動の定着により、病気休業と企業負担の医療費が減少する

企業価値の向上

健康経営優良法人の認定取得につながり、採用活動や対外評価が高まる


  • プレゼンティーズムの改善と労働生産性の向上

リテラシーの向上は、出勤しているものの心身の不調でパフォーマンスが落ちている状態(プレゼンティーズム)の改善に寄与します。従業員一人ひとりが自身の体調変化に早く気づき、適切な睡眠や食事、ストレス対処法を実践できるようになるためです。結果として、業務中の集中力低下やミスが減り、組織全体の労働生産性が押し上げられる効果につながります。

【関連記事】プレゼンティーズムとは?原因から測定方法・企業の対策事例まで解説


  • アブセンティーズムの減少と医療費の削減

病気やメンタルヘルス不調による欠勤・休職(アブセンティーズム)を防ぐ効果も小さくありません。正しい知識を持つ従業員は、定期的な健康診断を受診し、異常があれば早期に医療機関を受診する習慣が身につきます。疾患の重症化を未然に防ぐことで、長期休職による労働力の喪失を回避し、企業が負担する健康保険料などの医療費負担を適正に抑えられます。

【関連記事】アブセンティーズムとは?プレゼンティーズムとの違いや原因・対策を解説


  • 健康経営への寄与と企業価値の向上

従業員の健康を経営的視点で捉える「健康経営」の基盤としても機能します。ヘルスリテラシー向上に向けた研修や情報発信などの取り組みは、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」の認定要件にも深く関わっています。認定を取得できれば、従業員を大切にする企業としての社会的評価が高まり、優秀な人材の採用や離職防止にもつながります。

【関連記事】健康経営優良法人の要件とは? 認定基準や2025年の変更点を解説


4.ヘルスリテラシーを測定・評価する主な指標

従業員のヘルスリテラシーを客観的に把握するためには、標準化された測定尺度の活用が有効です。代表的な質問紙と評価指標を整理します。


測定指標

特徴と活用方法

HLS-EU-Q47

欧州で開発された包括的な質問紙。医療・疾病予防・ヘルスプロモーションの3領域を評価する

HLS-14

日本向けに開発された14項目の尺度。機能的・相互作用的・批判的の3レベルを測定する


  • ヨーロッパヘルスリテラシー調査質問紙(HLS-EU-Q

HLS-EU-Qは、ヨーロッパを中心に国際的な調査で広く用いられている包括的な測定指標です。医療、疾病予防、ヘルスプロモーションという3つの領域において、情報を入手・理解・評価・活用する難易度を47の質問項目で判定します。網羅性が高い反面、質問数が多いため、実際の企業内調査では項目を絞り込んだ短縮版(HLS-EU-Q16など)が用いられるケースもあります。

参考:ヘルスリテラシーを測る方法


  • 14項目の健康リテラシー尺度(HLS-14

HLS-14は、日本国内で開発された14項目からなる測定尺度です。機能的、相互作用的、批判的という3つのリテラシーレベルを測定できるように設計されており、日本人の文化や医療環境に合った評価が可能です。質問数が少なく回答者の負担が軽いため、企業の定期的なストレスチェックや従業員アンケートと組み合わせて、現状の把握や施策前後の効果測定に活用されています。

参考:厚生労働省eJIM | 医療者と患者のコミュニケーション:ヘルスリテラシーを手がかりにして[コミュニケーション]


5.従業員のヘルスリテラシーを向上させる具体的な取り組み

ヘルスリテラシーを高めるには、知識の提供だけでなく、実際の行動につながる環境整備が欠かせません。企業内で実践できる具体的な施策を整理します。


具体的な取り組み

期待される効果とポイント

健康診断の事後措置

産業医等からのフィードバックで、自身の健康状態と生活習慣の関連を理解させる

健康教育・セミナー

睡眠やメンタルヘルス等のテーマを設定し、正しい知識に触れる機会を設ける

信頼性の高い情報発信

社内報やポータルサイトを通じて、公的機関に基づく健康情報を継続的に配信する

行動変容を促すイベント

ウォーキングイベント等を通じて、健康行動を実践し定着させるきっかけを作る

外部の法人向け健康支援サービスの活用

フィットネスクラブ等が提供する法人サービスを組み合わせ、運営負担を抑えつつ施策の質を担保する


  • 健康診断結果の活用と専門家によるフィードバック

健康診断の受診後に、産業医や保健師から個別のフィードバックを行うことは有効な施策の一つです。単に数値の異常を伝えるだけでなく、その数値が意味する将来のリスクや、改善に必要な生活習慣の見直し方法をセットで解説します。自身の健康データという身近な情報を使うことで、従業員の関心が高まり、提供された情報を行動へ移す動機付けにつながります。


  • 健康教育・セミナーの定期的な開催

睡眠、食事、運動、メンタルヘルスなど、身近なテーマでの健康セミナーを定期的に開催し、正しい知識を提供します。専門家を講師に招き、最新の科学的根拠に基づいた情報を分かりやすく解説してもらう環境を整えることが望ましいでしょう。業務時間内にオンライン形式で参加できるようにするなど、受講のハードルを下げる工夫を取り入れることで、これまで健康に関心の薄かった層へのアプローチも容易になります。


  • 信頼性の高い情報の継続的な発信

社内報やイントラネット、ビジネスチャットなどの社内コミュニケーションツールを活用し、信頼できる健康情報を継続的に発信していく手法です。公的機関や専門機関が提供する情報を引用し、季節ごとの健康対策や、デスクワークでできるストレッチなどを定期的に配信します。従業員が日頃から正しい健康情報に触れる機会を増やすことで、情報への感度が高まり、自発的な健康管理の土壌が育まれます。

【関連記事】オフィスストレッチの簡単なやり方!座ったまま肩こりや腰痛を解消


  • ウォーキング等の行動変容を促すイベント実施

得た知識を実際の行動として定着させるために、社内での健康推進イベントを企画することも有効な選択肢です。スマートフォンのアプリを活用した部署対抗のウォーキングイベントや、社内食堂でのヘルシーメニューの提供など、楽しみながら参加できる仕組みが効果的です。知識の習得から実践への橋渡しを行うことで、従業員のヘルスリテラシーは着実に行動変容へと結びついていきます。


  • 外部の法人向け健康支援サービスの活用

社内リソースだけで、継続的な情報発信や運動機会の提供、専門家による指導までを賄い続けることは容易ではありません。運営負担を抑えつつ施策の質を保つには、フィットネスクラブや健康経営支援事業者の法人向けサービスを組み合わせる方法が有効です。具体的には、法人会員制度やオンラインフィットネス、健康セミナーの受託運営、施策設計のコンサルティングなどが挙げられます。運動と学びの両面から支援できるパートナーと連携することで、ヘルスリテラシー向上と行動変容を同時に進めやすくなります。


まとめ

従業員のヘルスリテラシー向上は、あふれる情報から正しい知識を選択し、自身の健康行動に結びつけるための重要な基盤となります。機能的・相互作用的・批判的という3つのレベルを通じて段階的に能力を高めることで、プレゼンティーズムの改善や医療費の削減など、企業経営にも直結する効果が期待できます。

一方で、日本人のヘルスリテラシーは諸外国と比べて低い傾向にあり、単発の施策だけでは行動変容まで至らないケースも少なくありません。現状を正確に測定したうえで、学びと運動習慣づくりを一体で継続できる仕組みを整えることが、組織全体の健康経営を前進させる鍵となります。自社に合ったアプローチをお探しの際は、ぜひメガロス法人向けサービスまでお気軽にご相談ください。

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