テレワークの健康管理はどう行う?企業に求められる労務管理と具体策
テレワーク環境で生じやすい運動不足やメンタルヘルス不調など、健康管理の課題と解決策を解説します。厚生労働省のガイドラインに基づき、企業が講ずべき労務管理のポイントから従業員個人のセルフケアまで、実践的な手法を分かりやすく整理しました。
テレワークにおける従業員の健康管理には、作業環境の整備や勤怠管理に加え、運動機会の提供によって心身の健康を支える体制づくりが求められます。自宅はオフィスと異なり、労働時間の長期化や身体活動量の低下、コミュニケーション不足によるメンタル不調のリスクが高まりやすい環境です。
本記事では、テレワーク特有の健康課題、従業員に促すべきセルフケアの具体策、そして企業が法的義務を果たしつつ従業員の健康維持を推進するために講じるべき労務管理・運動支援の施策を整理します。
この記事の要約
- テレワークでは運動不足や孤独感、長時間労働による心身の健康リスクが高まる
- 従業員には適切な作業環境の確保と、1時間ごとの作業休止など意識的な休息を促す
- 企業はオンライン面談を定期実施し、従業員の小さな変化を早期に発見する体制を構築する
- テレワーク時も労働基準法が適用されるため、勤怠管理システム等で客観的な労働時間を把握する
- 自社のみでの対応が難しい場合は、産業医や外部専門家への相談窓口を設置し支援体制を強化する
- 法人会員制のスポーツクラブやオンラインフィットネス、健康セミナーを活用し、運動機会の提供とコミュニケーション活性化を同時に進める
1.テレワーク環境下で生じやすい健康課題
テレワークの導入により通勤時間が削減される反面、従業員の心身にはオフィス勤務とは異なる負荷がかかります。対面環境では自然と確保されていた身体活動や人との接点、仕事と私生活の切り替えが失われることで、複数の健康リスクが同時に進行しやすい点がテレワーク特有の難しさです。ここでは代表的な3つの課題を整理します。
| 生じやすい健康課題 | 具体的なリスクと影響 |
| 運動不足の常態化 | 肩こりや腰痛などの身体的疾患 生活習慣病のリスク増加 |
| コミュニケーションの減少 | 孤独感の蓄積 メンタルヘルス不調の潜在化 |
| オンオフの境界線の喪失 | 隠れ残業の発生 睡眠不足や過重労働への移行 |
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運動不足による身体的リスク
通勤や社内移動がなくなることで、1日の歩数が大幅に減少し、運動不足が常態化します。同じ姿勢で長時間座り続けると、肩こりや腰痛といった筋骨格系の疾患を引き起こすケースも珍しくありません。日常的な身体活動量の低下は、長期的に見れば生活習慣病のリスクを高める要因にもなります。従業員が自宅に閉じこもりがちにならないよう、企業側からも意識的な運動を啓発していくアプローチが求められます。
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コミュニケーション不足によるメンタルヘルス不調
対面での雑談や気軽な相談の機会が減ることで、孤独感や不安を抱え込む従業員が増加します。テキスト中心のやり取りでは感情の機微が伝わりにくく、上司が部下のストレスサインを見落とすことも少なくありません。業務の進捗だけでなく、心理的な状態を把握する仕組みが不足していると、メンタルヘルス不調が深刻化してから発覚する事態を招きかねません。
【関連記事】メンタルヘルス対策は何から始める?企業の義務と効果的な4つのケアを解説
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オンオフの境界線喪失による長時間労働
仕事とプライベートの空間が同一になることで、業務の区切りがつけにくくなり、長時間労働に陥りやすい傾向があります。深夜や休日に業務メールを返信するなどの「隠れ残業」が発生しやすく、脳が休まらない状態が続きます。適切な休息が取れない状況は、睡眠不足や慢性的な疲労蓄積の引き金となります。
2.従業員が実践すべきセルフケアの具体策
健康管理は企業の制度整備だけで完結するものではなく、従業員一人ひとりが日常の中で意識的にセルフケアに取り組むことが土台となります。人事・労務担当者は以下のポイントを社内に周知し、実践のハードルを下げる情報提供や環境整備を通じて習慣化を後押ししていくことが重要です。
| セルフケアの観点 | 実践すべき具体策 |
| 運動の習慣化 | 作業の合間のストレッチ 始業前や終業後の散歩 |
| 作業環境の整備 | 適切な高さの机と椅子の使用 手元や画面の十分な明るさ確保 |
| 生活リズムの維持 | 1時間ごとの小休止 始業・終業時刻の明確化 |
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定期的なストレッチと適度な運動の習慣化
長時間同じ姿勢でパソコン作業を続けることを避け、定期的に立ち上がってストレッチを行う習慣が求められます。筋肉の緊張をほぐすことで、肩こりや腰痛の予防につながります。始業前や昼休みを利用して自宅周辺を散歩するなど、意識的に歩数を増やす工夫を取り入れることも効果的です。
【関連記事】オフィスストレッチの簡単なやり方!座ったまま肩こりや腰痛を解消
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作業環境(デスク・照明)の適切な整備
体に負担をかけないよう、体格に合った机と椅子を使用し、ディスプレイの明るさや室内の照明を適切に調整します。厚生労働省のガイドラインでは、書類上及びキーボード上の照度を300ルクス以上確保することが推奨されています。ダイニングテーブルなどを代用する場合も、クッションや足置きを活用して正しい姿勢を保てるよう工夫を促します。
参考:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
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生活リズムの維持と意識的な休息
メリハリのある働き方を実現するためには、始業と終業の時間を明確に区切り、ダラダラと仕事を続けない意識が必要です。情報機器作業のガイドラインにおいても、1連続の作業時間は1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止を設ける基準が示されています。意図的にパソコンから離れる時間を作ることで、眼精疲労や脳の疲労の軽減が期待できます。
参考:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
3.企業に求められるテレワーク健康管理の施策
テレワーク環境下であっても、企業には労働安全衛生法や労働基準法に基づく安全配慮義務がオフィス勤務と同様に課せられています。しかし従業員の様子を直接観察できない分、制度やツールを活用した仕組みづくりが重要です。ここでは法令遵守と従業員の健康維持を両立するために企業が講じるべき4つの施策を紹介します。
| 企業に求められる施策 | 目的と具体的なアプローチ |
| 定期的なオンライン面談 | 業務の進捗確認と併せ、心理的・身体的な不調の早期発見 |
| 労働時間の客観的な把握 | 勤怠システム等を活用した過重労働の防止と隠れ残業の抑止 |
| 相談窓口の設置 | 産業医や外部専門家による、匿名性が高く相談しやすい環境の提供 |
| 法人向けフィットネスサービスの活用 | 法人会員・オンラインフィットネス・健康セミナーによる運動機会の提供とコミュニケーション活性化 |
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定期的なオンライン面談による状態把握
上司と部下の間で定期的に1on1などのオンライン面談を実施し、健康状態やストレスの度合いを継続的に確認します。画面越しに顔色や声のトーンを観察することで、テキストだけでは分からない小さな変化にも気付けます。業務の報告だけでなく、雑談や悩みを話せる心理的安全性を確保した場を設けることが、メンタル不調の予防につながります。
【関連記事】心理的安全性とは?高めるメリットとリーダーができる実践方法を解説
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労働時間の客観的な把握と過重労働対策
自己申告による労働時間の過少申告を防ぐため、PCのログオン・ログオフ時刻を記録する勤怠管理システムなどを活用して労働時間を客観的に把握します。厚生労働省が定める労務管理のガイドラインでも、テレワークにおける労働時間の適正な管理が強く求められています。深夜労働や休日労働を原則禁止するなどの社内ルールを設け、システムによる監視と併用していく運用が現実的です。
参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
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産業医や外部専門家への相談窓口の設置
従業員が上司や人事には直接言いにくい悩みを抱えた際、安心して相談できる専門窓口を整えます。産業医とのオンライン面談体制を構築するほか、外部のEAP(従業員支援プログラム)機関を活用するケースも珍しくありません。テレワークで孤立感を深める前に、専門家のアドバイスを受けられるセーフティネットを用意しておくことが企業の危機管理として機能します。
【関連記事】産業医面談とは?対象基準や話す内容、拒否された時の対応まで解説
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法人向けフィットネスサービスによる運動機会の提供
テレワーク下で失われがちな身体活動量を補うためには、法人会員制のスポーツクラブや、オンラインフィットネスプログラムなど、外部の運動支援サービスを福利厚生として整備するアプローチが有効です。
全国のスポーツクラブを従業員が利用できる法人会員プランを導入すれば、自宅近くやオフィス周辺で気軽に運動習慣を継続できる環境が整います。加えて、自宅から参加できるライブ配信型のオンラインフィットネスを組み合わせることで、在宅勤務中の従業員も始業前や休憩時間を活用して短時間の運動に取り組めます。専門インストラクターによる健康セミナーを定期開催すれば、運動不足の解消に留まらず、参加者同士の一体感の醸成やコミュニケーション活性化にもつながります。
【関連記事】福利厚生でジムを導入する効果は?失敗しない選び方と税制面を解説
参考:スポーツクラブメガロスの法人会員
まとめ
テレワークでは、運動不足による身体的リスク、コミュニケーション不足によるメンタル不調、オンオフの境界線喪失による長時間労働など、オフィス勤務とは異なる健康課題が同時に進行しやすくなります。企業には、従業員のセルフケアを促す情報発信に加え、定期的なオンライン面談や勤怠システムによる労働時間の客観的把握、産業医など相談窓口の整備といった労務管理の仕組みづくりが求められます。さらに、失われがちな運動機会をどう補うかが、従業員の健康維持と生産性向上を両立する鍵となります。
そこで有効なのが、法人向けフィットネスサービス「メガロス法人会員」です。全国のスポーツクラブを利用できる法人会員プランに加え、自宅から参加できるオンラインフィットネスや健康セミナーを組み合わせることで、在宅勤務中の従業員にも無理なく運動習慣を根付かせ、コミュニケーション活性化と離職防止を同時に後押しします。
<最後に>
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